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かゆみを伴う皮膚疾患 さまざまな種類がある、かゆみを伴う皮膚疾患。その代表的なものの症状や治療法をご紹介します。

皮膚疾患によってさまざまな症状がありますが、違う疾患なのに似たような症状が出る場合もよくあります。しかし、専門的な知識がないと見分けるのは難しいものです。実は、自分で思っていた疾患と違っていたり、疾患によってはまったく異なる治療が必要な場合もあります。きちんと改善させていくためにも、気になったらすぐにお医者さんにみてもらいましょう。
症状は似ているけれど、治療法が異なる疾患
じんましんと接触皮膚炎(かぶれ)
皮膚の表面が赤くなったり、デコボコと盛り上がったりし、かゆみを伴うので同じ疾患のように思えますが、じんましんの症状は出没を繰り返すという特徴があります。
じんましん
  • 症状が出る部位:全身
  • 症状:体の一部、あるいは全体に、突然強いかゆみを伴う、皮膚の盛り上がり(膨疹)や赤み(紅斑)がたくさんでき、数時間から1日程度で出没を繰り返します。中でも膨疹が出るのが特徴的です。
  • 原因:慢性じんましんのほとんどの原因は特定できません。症状が出るきっかけとして、疲労や精神的ストレスなどの関与も指摘されています。また、寒冷、温熱や機械的刺激などが原因の場合もあります。アレルギー性の場合には、食物や薬の摂取後5〜15分くらいでじんましんが出現します。
  • 治療:原因が特定できた場合は、それを除去します。対症療法としては症状を抑える抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

膨疹を示すじんましん
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紅斑を示すじんましん
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接触皮膚炎
  • 症状が出る部位:全身(原因物質が触れた部位に出現)
  • 症状:俗に“かぶれ”とも呼ばれ、何らかの物質が皮膚に接触し、それが刺激やアレルギー反応となってかゆみを伴う湿疹ができます。ひどくなると水ぶくれ(水疱)が出現することがあります。アレルギー性の場合は、接触して数時間後より症状が出現し、2日後にピークに達し、1週間程度持続します。
  • 原因:身のまわりにあるほとんどの物質が原因となる可能性があり、その何らかの物質に接触することで発症します。
  • 治療:原因物質を突き止めて、その物質との接触を避けます。短期的にステロイド外用薬を使用し、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

丘疹が主体の症例
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紅斑だけの症例
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アトピー性皮膚炎と皮脂欠乏性皮膚炎
肌がカサカサと乾燥気味になり、炎症も起こります。幼い頃から発症する場合が多いアトピー性皮膚炎に比べ、皮脂欠乏性皮膚炎は、高齢者に多いのが特徴です。
アトピー性皮膚炎
  • 症状が出る部位:全身。特に顔や首回り、四肢関節屈側
  • 症状:かゆみの激しい慢性の皮膚炎で、特定の部位に繰り返し病変を生じます。年齢とともに症状は変わり、乳児期はじくじくとした湿潤性の病変、小児期は乾燥した病変ができます。乾燥肌や皮脂欠乏性皮膚炎の症状が認められることもあります。
  • 原因:アトピー素因や皮膚が乾燥しやすいなどの体質や、ハウスダストやダニ、カビなどによるアレルギー反応が影響してアトピー性皮膚炎が発症します。
  • 治療:程度により治療が異なりますが、ステロイド外用薬などの塗り薬と抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服が基本になります。肌の乾燥を防ぐために保湿剤も使用します。
 

アトピー性皮膚炎の乾燥肌
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アトピー性皮膚炎の魚鱗癬
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皮脂欠乏性皮膚炎
  • 症状が出る部位:全身。特に下腿前面や腰回りなどに多い。
  • 症状:皮膚が乾燥し、皮膚の表面には細かい糠(ぬか)のようにフケ状の皮膚がついた状態がみられます。さらに、下腿の前面には亀甲模様の亀裂やシワがみられ、強いかゆみを伴う場合があります。
  • 原因:老化あるいは、そのほかの原因によって皮膚のバリア機能が低下し、皮脂分泌の低下に伴って皮膚が乾燥することが原因となります。
  • 治療:特に冬には石鹸の使用を控え、入浴後には保湿剤を使用し、かゆみには抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服を行います。引っ掻いて皮膚炎になっている場合には、ステロイド外用薬を使用します。
 

高齢者の下腿の典型的な発疹
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皮脂欠乏性皮膚炎
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手湿疹と手白癬
手の皮がむける症状が出るのは同じですが、手湿疹はいわゆる手荒れで、手白癬はカビの一種が原因となります。
手湿疹
  • 症状が出る部位:手、指
  • 症状:いわゆる手荒れで、指先や指の腹、手のひらなどが赤みをおびて乾燥し、角層がはがれおちる症状がみられます。進行すると指の腹がひび割れを起こし、かゆみや痛みを伴います。
  • 原因:頻繁な手洗いや洗剤の使用などにより皮脂が失われ、露出した皮膚への刺激などが加わり症状が起こると考えられています。
  • 治療:水仕事は素手で行わず、手袋を着用して行います。水仕事の後はハンドクリームを塗るなどして皮膚を保護します。症状が悪化した場合にはステロイド外用薬を使用します。
 

手湿疹
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手白癬
  • 症状が出る部位:手(白癬菌が足裏や足の爪から感染)
  • 症状:いわゆる手にできる「水虫」です。手のひらの皮膚が厚くなり角層がはがれおちる症状がみられます。かゆみはありません。
  • 原因:カビの一種が原因となります。顕微鏡で菌の有無を検査します。
  • 治療:白癬菌を殺すために、抗真菌薬の内服か外用による治療を行います。
 

手白癬
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足白癬と異汗性湿疹(汗疱[かんぽう])
足白癬の症状は型により異なりますが、ともに足に小水疱が出現する症状がみられます。足白癬はカビの一種が原因ですが、異汗性湿疹の原因は不明です。
足白癬
  • 症状が出る部位:足の指の間、足の裏や側面、かかと
  • 症状:いわゆる「水虫」です。症状は「趾間型」「小水疱型」「角化型」の3種類があります。趾間型は足の指の間にみられ、ジュクジュクと赤くなって皮がむけたり、白くふやけます。小水疱型は、足の裏や側面に小さな水疱ができ、日が経つと赤くなり皮膚がむけてきます。かゆみが強いのが特徴です。角化型は、足の裏やかかとがガサガサと乾燥し、角層も厚く硬くなります。皮膚がむけ、ひび割れを伴うのが特徴です。
  • 原因:カビの一種が原因となります。顕微鏡で菌の有無を検査します。
  • 治療:白癬菌を殺すために、抗真菌薬の内服か外用による治療を行います。
 

足白癬(小水疱型)
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異汗性湿疹(汗疱)
  • 症状が出る部位:足の裏や指(その他部位:手のひらや指)
  • 症状:足の裏に小さな水疱が突然多発し、時間の経過とともに水疱が破れて角層がはがれおちます。そのほか、角層が鱗のように次々とはがれおちる症状のタイプもあります。小さな水疱が多発するタイプはかゆみを伴うことがありますが、そうでないタイプはかゆみがありません。初夏や晩秋に多く、1ヶ月程度で自然軽快しますが、年ごとに繰り返します。
  • 原因:原因は不明です。汗管の炎症が原因とする考えがあります。検査でもカビ菌(白癬菌)は陰性です。
  • 治療:ストロングクラスのステロイド外用薬を使用しますが、それほど有効ではありません。
 

異汗性湿疹
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痒疹とニキビ
赤いぶつぶつがたくさんできるのですが、痒疹はぶつぶつが硬く、非常に強いかゆみを伴うのが特徴です。
痒疹
  • 症状が出る部位:四肢または全身
  • 症状強いかゆみを伴う、硬い皮膚の盛り上がりができます。時に大きさが増し、数が増えます。
  • 原因:虫刺れが慢性化して生じる場合が多いです。アトピー性皮膚炎の一症状として現れる場合もあります。
  • 治療:ステロイド外用薬やテープ薬、注射を行います。かゆみに対しては抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

痒疹
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アトピー性皮膚炎の症状としての痒疹
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ニキビ
  • 症状が出る部位:顔(額・あご・頬等)、胸、背中
  • 症状:主に皮脂が多く分泌される顔・胸・背に赤いぶつぶつができます。毛穴に一致してできるのが特徴で、膿がたまる場合もあります。最終的にケロイドのような瘢痕を残すことがあります。
  • 原因:ホルモンの影響などで皮脂分泌が増え、毛穴が詰まり、毛穴の中でアクネ菌が増殖して炎症を起こすことで発症します。
  • 治療:毛穴の出口をふさぐ角質を取り除いたり、炎症や菌を抑える作用のある外用薬・内服薬を使います。
 

痤瘡(ニキビ)
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接触皮膚炎<かぶれ>と帯状疱疹(たいじょうほうしん)
水ぶくれができるのは同じですが、接触皮膚炎はアレルギー反応が原因で、帯状疱疹はウィルスが原因となります。
接触皮膚炎
  • 症状が出る部位:全身(原因物質が触れた部位)
  • 症状:俗に"かぶれ"とも呼ばれ、何らかの物質が皮膚に接触し、それが刺激やアレルギー反応となってかゆみを伴う湿疹ができ、ひどくなると水ぶくれ(水疱)が出現することがあります。
  • 原因:身のまわりにあるほとんどの物質が原因となる可能性があり、その物質に接触することで発症します。
  • 治療:原因物質を突き止めて、その物質との接触を避けます。短期的にステロイド外用薬を使用し、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

接触皮膚炎
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帯状疱疹
  • 症状が出る部位:全身の左右どちらか
  • 症状:違和感や痛みといった前症状の後に、狭い範囲の部位に帯状に紅斑と小さな水ぶくれ(水疱)が多数生じます。強い痛みを伴うのが特徴で、数週間で発疹がなくなった後も続くことがあります(疱疹後神経痛)。
  • 原因:水痘・帯状疱疹ウィルスが原因で起こります。水痘に罹患した後、神経節に残っていたウィルスが体調不良などで活性化されることで発症します。
  • 治療:皮膚症状は数週間ほどで治りますが、早い時期に抗ウィルス薬による治療をはじめた方が症状が軽くなります。神経痛に対しては痛み止めなどを使います。
 

帯状疱疹
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皮膚そう痒症と体部白癬
いずれも全身に出現し、かゆみを伴う点が似ています。皮膚そう痒症は不眠などが原因の背景にあることが多いのに対し、体部白癬はカビの一種が原因となります。
皮膚そう痒症
  • 症状が出る部位:全身、特に腰臀部、下腿
  • 症状皮膚に発疹がないのに、かゆみが出るものです。引っ掻くことで二次的に湿疹ができることがあります。
  • 原因:かゆみを感じやすくなる(かゆみの閾値が下がる)ことで生じます。不眠が背景にあることも多くあります。
  • 治療:原因がない老人性そう痒症の場合には、入浴回数や石鹸の使用回数を減らし、保湿剤を使用します。かゆみには抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

皮膚そう痒症
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体部白癬
  • 症状が出る部位:全身。特に胸、背中、股間など
  • 症状:ゼニタムシとも呼ばれるように、コインの形をした紅斑が徐々に大きくなり、辺縁だけ赤いブツブツが残ります。非常にかゆいのが特徴です。
  • 原因:カビの一種(白癬菌)が原因となります。顕微鏡で菌の有無を検査します。
  • 治療:白癬菌を殺すために、抗真菌薬の外用による治療を行います。
 

体部白癬
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上記はほんの一例です。これ以外にも、さまざまな間違いやすい疾患や
似たような症状がありますので、症状が出た際は必ずお医者さんにみてもらいましょう。
症状も治療法も似ている疾患
脂漏性皮膚炎と頭部湿疹
いずれも頭部にみられる湿疹ですが、脂漏性皮膚炎は頭部以外にも皮脂の分泌が多い部位にみられます。頭部湿疹は頭部にだけできる場合と全身の一部症状としてみられる場合があります。
脂漏性皮膚炎
  • 症状が出る部位:頭部、顔面、わきの下
  • 症状:脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位によくみられる皮膚炎で、紅斑と黄色調の油性フケがみられます。フケ症は紅斑などの炎症のないものをいいます。
  • 原因:皮脂分泌機能の異常や、皮脂を好むマラセチア菌(カビの一種)の関与が指摘されています。
  • 治療:ステロイド外用薬を使用します。マラセチア菌を殺す抗真菌薬や抗菌シャンプーなども使われるようになりました。
 

脂漏性皮膚炎
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頭部の脂漏性皮膚炎
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頭部湿疹
  • 症状が出る部位:頭部
  • 症状:頭部湿疹は頭にできた湿疹であり、アトピー性皮膚炎や全身の慢性湿疹の一部症状としてもできます。皮脂の分泌とは関係せず、引っ掻くことで悪化します。
  • 原因:過剰な洗髪、シャンプーや整髪料による「かぶれ」がきっかけになる場合があります。
  • 治療:ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などが使用されます。かゆみが強いときは抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

アトピー性皮膚炎による頭部湿疹
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掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と異汗性湿疹(汗疱[かんぽう])
いずれも手のひらや指にできる病気ですが、掌蹠膿疱症では赤くなり、膿のたまり(膿疱)ができます。異汗性湿疹では水ぶくれ(水疱)や角層がむけたりします。
掌蹠膿疱症
  • 症状が出る部位:手のひら、足の裏
  • 症状紅斑や赤いぶつぶつ(丘疹)、膿のたまり(膿疱)、角層のはがれ、キレツなどが年余にわたり周期的に繰り返されます。かゆみや痛みを伴う場合もあります。重症例では関節痛を伴うことがあります。また、発症部位は違いますが、乾癬と類似の疾患と考えられています。
  • 原因:原因は不明ですが、遺伝的素因も考えられています。金属アレルギーや扁桃腺・鼻・歯・耳などへの細菌感染が関与していることもあります。
  • 治療:ステロイド外用薬やビタミンD3外用薬、または抗ヒスタミン薬、抗生物質、ビタミンA剤などの内服で治療します。紫外線療法を行うこともあります。
 

掌蹠膿疱症
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足の掌蹠膿疱症
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異汗性湿疹(汗疱)
  • 症状が出る部位:手のひらや指(その他部位:足の裏や指)
  • 症状:指腹や指の側縁・指背、手掌(しゅしょう)に小さな水疱が突然多発し、時間の経過とともに水疱が破れて角層がはがれおちます。そのほか、角層が鱗のように次々とはがれおちる症状のタイプもあります。小さな水疱が多発するタイプはかゆみを伴うことがありますが、そうでないタイプはかゆみがありません。初夏や晩秋に多く、1ヶ月程度で自然軽快しますが、年ごとに繰り返します。
  • 原因:原因は不明です。汗管の炎症が原因とする考えがあります。検査でもカビ菌(白癬菌)は陰性です。
  • 治療:ストロングクラスのステロイド外用薬を使用しますが、それほど有効ではありません。
 

異汗性湿疹
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アトピー性皮膚炎と慢性湿疹
全身に湿疹があらわれるのでアトピー性皮膚炎と間違いやすいですが、慢性湿疹は内服薬剤の副作用として生じている場合があります。
アトピー性皮膚炎
  • 症状が出る部位:全身。特に顔や首回り、四肢関節屈側
  • 症状:かゆみの激しい慢性の皮膚炎で、特定の部位に繰り返し病変を生じます。年齢とともに症状は変わり、乳児期はじくじくとした湿潤性の病変、小児期は乾燥した病変ができます。乾燥肌や皮脂欠乏性皮膚炎の症状が認められることもあります。
  • 原因:アトピー素因や皮膚が乾燥しやすいなどの体質や、ハウスダストやダニ、カビなどによるアレルギー反応が影響してアトピー性皮膚炎が発症します。
  • 治療:程度により治療が異なりますが、保湿剤やステロイド外用薬などの塗り薬と抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服が基本になります。
 

アトピー性皮膚炎
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慢性湿疹
  • 症状が出る部位:全身(特徴的な皮疹の分布はありません)
  • 症状:アトピー歴がなく、突然に紅斑や丘疹を伴った湿疹が全身にでて持続します。
  • 原因:不明なことが多いですが、薬疹(内服・注射剤の副作用)として出現している場合があります。
  • 治療:全身投与薬(内服・注射)がある場合には、これら全薬を一時的に中止して症状が軽快するか確認します。薬疹でない場合はステロイド外用薬を使用し、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。症状が悪化した場合には一時的にステロイドの内服が必要になることもあります。
 

慢性湿疹
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貨幣状湿疹と乾癬
原因はまったく異なる二つの病気ですが、円形あるいは楕円形の湿疹様の皮疹があらわれる症状が似ており、治療法も似ています。
貨幣状湿疹
  • 症状が出る部位:下肢、腕、体幹
  • 症状:小さな丘疹がかゆみとともに大きくなり、円形あるいは楕円形の茶褐色の湿疹が広がっていきます。
  • 原因:形から命名された皮膚病のため、原因はさまざまです。皮膚の乾燥が原因になることが多いですが、虫刺されも原因になることもあります。
  • 治療:ステロイド外用薬を使用します。かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

貨幣状湿疹
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乾癬
  • 症状が出る部位:全身、特に肘(ひじ)、膝頭(ひざかしら)、頭部、腰、臀部
  • 症状:わずかに盛り上がった円形、あるいは楕円形のはっきりした紅斑が体のあちこちにでき、表面には厚い銀白色のふけのような鱗屑がつきます。発症しやすいのは、こすれやすい部分や日光のあたらない部分です。ときには全身に膿疱ができて、熱が出たり、関節炎を伴うことがあります。また、症状のない部分を引っ掻いていると、その部分に皮疹が出てくる現象(ケブネル現象)がみられます。
  • 原因:遺伝的素因に環境因子が加わってできるとされ、肥満、糖尿病、高脂血症などに合併するケースが多くみられます。
  • 治療:ステロイド外用薬や活性型ビタミンD軟膏を塗る外用療法が行われます。紫外線に敏感になるソラレンという薬を内服するか患部に塗って、長波長の紫外線を照射する光線療法(PUVA療法)も有効です。場合によっては、短波長紫外線(UVB)を照射することもあります。重症例では、細胞の増殖をコントロールするビタミンA酸誘導体のレチノイドや免疫抑制薬を内服する場合もあります。最近では、バイオロジックス(生物製剤)の注射剤も使用されるようになりました。
    かゆみを伴う場合には、皮膚を掻くことによるケブネル現象を防ぐために、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬などを内服します。
 

乾癬
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頭部の乾癬
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うっ滞性皮膚炎と皮脂欠乏性皮膚炎
いずれも高齢者の下腿に多く、皮膚炎が出現しかゆみを伴う点が似ていますが、皮脂欠乏性皮膚炎は皮膚が乾燥することが原因で、うっ滞性皮膚炎は静脈血流の循環不全が原因となります。
うっ滞性皮膚炎
  • 症状が出る部位:下腿
  • 症状:褐色の色素沈着を伴った紅斑、紫斑がみられます。次第に皮膚は硬くなり、軽い外傷や打撲からびらん・潰瘍ができることもあります。また、静脈瘤を伴うことが多いです。
  • 原因:下肢の血流が慢性的に静脈内などに停滞することで発症します。比較的多くの人に見られ、特に立ち仕事をする人や加齢、出産が誘因となり発症することが多い疾患です。
  • 治療:長時間の立ち仕事を避け、弾性ストッキングなどを用いて血行障害を改善させます。また、皮膚炎に対してはステロイド外用薬を使用。かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬を内服します。
 

うっ滞性皮膚炎
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皮脂欠乏性皮膚炎
  • 症状が出る部位:全身。特に下腿前面や腰回りなどに多い。
  • 症状:皮膚が乾燥し、皮膚の表面には細かい糠(ぬか)のようにフケ状の皮膚がついた状態がみられます。さらに、下腿の前面には亀甲模様の亀裂やシワがみられ、強いかゆみを伴う場合があります。
  • 原因:老化あるいは、そのほかの原因によって皮膚のバリア機能が低下し、皮脂分泌の低下に伴って皮膚が乾燥することが原因となります。
  • 治療:特に冬には石鹸の使用を控え、入浴後には保湿剤を使用し、かゆみには抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の内服を行います。引っ掻いて皮膚炎になっている場合には、ステロイド外用薬を使用します。
 

皮脂欠乏性皮膚炎
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