DOPPS

調査でわかった日本の透析医療

日本の透析の特徴

DOPPS調査で国際間の比較を行った結果、日本の血液透析治療は、世界でも高いレベルにあることが分かりました。

解説

DOPPS調査が重視し究極のアウトカムともいえる生命予後(どのくらい長生きできるか)は、日本が欧米に比べてとても良好なことが明らかになりました。1)
また、透析治療で血液を一度体の外に出し、体内に戻すのに必要なシャント(血管アクセス)の使用を調べると、患者さん自身の血管を使う内シャントの使用率は、日本では非常に高いことがわかりました。2) 血管アクセスの種類は患者さんの状態等によって決められますが、人工血管などは内シャントに比べて死亡や入院の危険が高まることも報告され、内シャントの使用が見直されるきっかけになりました。3)

透析治療では医師によって治療を受ける回数と治療時間が決められています。その治療計画を守る割合が日本の患者さんでは非常に高いことが示されました。4)

医師による患者さんの診療回数が多いことも報告され、日本の透析医療の優れている点が明らかにされています。2)

また、日本では透析量や血流量が低いことなどもわかりました。2) 現在も、日本の透析治療ではどのようにするのが良いかの検討が行われています。

参考資料
1) Goodkin DA et al. J Am Soc Nephrol 14: 3270-3277, 2003
2) 秋葉隆ほか,透析会誌37: 1865-1873, 2004
3) Pisoni et al. Am J Kidney Dis 53:475-791, 2009
4) Saran R et al. Kidney Int 64: 254-262, 2003

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