ニュースリリース

文字サイズ
文字サイズ標準で見る
文字サイズ大で見る
文字サイズ特大で見る

2014年9月16日

抗FGF23完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病を対象とした第1/2相長期投与試験の結果発表について

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23※1(FGF23)完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病※2(XLH)を対象とした第1/2相長期投与試験の結果を、米国テキサス州ヒューストンで開催された「米国骨代謝学会(ASBMR)2014年次総会」で発表しましたので、お知らせいたします。
 本試験は、米国及びカナダで行われた多施設共同オープン用量漸増反復投与試験※3(KRN23-INT-001試験)に引き続いて実施された第1/2相継続投与臨床試験(KRN23-INT-002)であり、成人XLH患者に対するKRN23反復投与時の長期の安全性及び有効性を検討することを目的としています。本試験では、KRN23-INT-001試験を完了した対象患者のうち同意が得られた22名に対し、12カ月間にわたり28日ごとにKRN23(最低 0.1 mg/kg、最高 1 mg/kg)が皮下投与されました。

 本試験では、KRN23-INT-001試験で観察された血清リン濃度や腎におけるリン再吸収、血中1,25(OH)2D3濃度の上昇は12カ月間にわたり概ね持続しました。なお、血清リン濃度についてはほとんどの症例で改善した値が維持され、12カ月以上の期間を通じて半数以上の症例でKRN23 投与後7日又は14日での血清リン濃度のピーク値が正常域(2.5~4.5 mg/dL)に達していることが確認されました。加えて、骨代謝マーカーである1型プロコラーゲンNプロペプチド(P1NP)やオステオカルシンの値についても、改善した値が試験期間中、維持されていました。

 本剤投与による有害事象は、注射部位反応や下痢、関節痛、注射部位の紅斑、むずむず脚症候群、注射部位の痛み、上腹部痛、頭痛、好中球減少等が認められました。重篤な有害事象は3名に認められましたが、いずれもKRN23投与との関連性は認められませんでした。また、腎結石及びむずむず脚症候群により、それぞれ1例で本剤の投与が中止されました。副甲状腺ホルモン及び腎超音波検査結果において顕著な変化は認められませんでした。血清カルシウム値においても、顕著な変動は認められませんでしたが、2名で軽微な高カルシウム血症が間欠的に観察されました。更に、3名で一過性の高カルシウム尿症が観察されましたが、全体での尿中カルシウム値上昇は認められませんでした。また、KRN23に対する抗体の発現は認められていません。以上のことから、KRN23の長期投与に対する忍容性が認められました。

 協和発酵キリンは、KRN23の開発、販売に関して、ウルトラジェニクス・ファーマスーティカル(以下「ウルトラジェニクス」)と協業およびライセンス契約を締結しています。協和発酵キリンとウルトラジェニクスは成人XLH患者での開発と並行して、欧米において小児XLHを対象とした第2相臨床試験を本年6月に開始しております。


※1 線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
FGF23は、主として骨組織で産生される251アミノ酸からなるポリペプチドであり、腎臓に作用し、腎尿細管でのリンの再吸収を阻害します。近年、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患におけるFGF23の関与が示唆されています。

※2 X染色体遺伝性低リン血症性くる病(XLH)
XLHは、血中に高濃度で存在するFGF23により、体内のリンが過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患です。

※3 オープン用量漸増反復投与試験
実薬とプラセボ(偽薬)あるいは薬剤の投与量を盲検化せず、用量を増加(漸増)しながら繰り返し投与を行う試験のことを指します。



ページトップへ