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2012年12月13日

皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を対象としたモガムリズマブ(KW-0761)の第3相臨床試験を米国で開始

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、再発性又は難治性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)注1を対象としたモガムリズマブ(一般名、開発コード: KW-0761)の効果と安全性を評価する第3相臨床試験を米国で開始しましたので、お知らせいたします。 モガムリズマブは、CTCLを対象疾病とした希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)注2の指定を、米国食品医薬品局および欧州委員会から受けています。

 モガムリズマブは、CTCL細胞など、様々な悪性T細胞に過剰発現しているCCR4注3に対するヒト化モノクローナル抗体です。本剤は、当社独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT®(ポテリジェント)」注4を応用した抗体で、ADCC活性注5による抗腫瘍効果を示します。

 モガムリズマブは、「ポテリジオ®点滴静注20mg」という製品名で、再発又は難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)注6の治療薬として、2012年5月29日から国内で販売しておりますが、適応疾患の可能性を検証するため、多くの臨床試験を国内外で実施しています。

 協和発酵キリンは、革新的な医薬品の開発により、CTCLをはじめとした希少疾患を含め、様々な疾患の治療およびQOLの向上に貢献してまいります。


<CTCLを対象としたモガムリズマブの第3相臨床試験の概要>
対象疾患 再発性又は難治性CTCL
デザイン 多施設ランダム化オープン比較試験(被験者をモガリズムマブ群とボリノスタット注7群にランダムに割り付け、非盲検で比較を行う試験)を実施する。
用法用量 モガムリズマブ群:
モガムリズマブを1.0 mg/kgを、最初のサイクル(28日間)では1週間間隔で4回、その後のサイクルでは隔週で症状が悪化するまで投与する。
ボリノスタット群:
ボリノスタットを400 mgを、毎日、症状が悪化するまで経口投与する。
実施場所 米国およびその他の国(日本を除く)
主要評価項目 無増悪生存期間


注1.皮膚T細胞リンパ腫(CTCL: Cutaneous T-Cell Lymphoma)
CTCLは、非ホジキンリンパ腫の1種で、T細胞リンパ腫としてはもっとも一般的な疾患の一つです。病変部位がCTCLは、菌状息肉腫(MF)やセザリー症候群(SS)などに分類できます。MFは、皮膚病変が患者によって異なり、紅斑,局面,皮膚腫瘤に分けられる。SSはMFが進行した病態で、血液中に悪性リンパ球の存在が認められます。

注2.希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)
希少疾病用医薬品とは、難病などの治療のため、必要性が高いにもかかわらず患者数が少ない疾患を対象とした医薬品です。米国では、米国食品医薬品局が、対象患者20万人以下の医薬品を希少疾病用医薬品とし、医薬品開発における税制上の優遇に加え、7年間の市場独占権が認められています。

注3.CCR4(chemokine (C-C motif) receptor 4)
CCR4は、白血球の遊走に関与するケモカインの受容体の一つです。CCR4は、正常組織中ではIL-4およびIL-5などのサイトカインを産生する(CD4陽性の)ヘルパー2型T細胞や制御性T細胞に発現することが知られています。また、ある種の血液がんにおいて高発現していることが知られています。

注4.POTELLIGENT® (ポテリジェント)
当社が独自に確立した高ADCC活性抗体作製技術です。本技術を用いることで、抗体が保有する糖鎖の中のフコースを低下させた抗体を作製できます。本技術で作製した抗体は、従来の抗体に比べて、標的細胞を極めて効率的に殺傷し、高い抗腫瘍効果を示すことが非臨床試験で確認されています。

注5.ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity(抗体依存性細胞傷害))
ADCCは免疫応答の1種です。標的細胞にある抗原に抗体が結合すると、その抗体にエフェクター細胞(NK細胞など)が結合します。その後、エフェクター細胞によって抗原を持つ標的細胞が殺傷されます。

注6.成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)
ATLはレトロウイルスのHTLV-1によって稀に発症する侵襲性が強いT細胞性の非ホジキンリンパ腫です。このウイルスはT細胞に選択的に感染します。ATLの発症は、南日本、中南米、西アフリカ、アメリカ南部およびカリブ海沿岸諸国などHTLV-1感染地域で認められます。ATLは稀な疾患で、標準的な治療法は確立されていません。

注7.ボリノスタット
ボリノスタット(ゾリンザ®)はヒストン脱アセチル化酵素を阻害します。米国では2006年10月6日にFDAからCTCLの治療薬として承認されています。

 

 



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