ニュースリリース

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2011年4月26日

成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の治療剤KW-0761
国内医薬品製造販売承認申請に関するお知らせ

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松田 譲、以下「協和発酵キリン」)は、2011年4月26日に成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)注1を適応症として開発中のKW-0761の国内医薬品製造販売承認を厚生労働省に申請しましたので、お知らせいたします。

 KW-0761は、当社独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT®(ポテリジェント)」注2を応用したヒト化モノクローナル抗体です。本剤は、当社が初めて医薬品製造販売承認申請をする抗体で、ポテリジェント抗体としては、世界で初めての医薬品製造販売承認申請になります。KW-0761は、ATL細胞表面に存在するCCR4注3に結合する抗体です。結合したATL細胞をADCC活性注4により傷害し、抗腫瘍効果を示します。本剤は、再発又は再燃したCCR4陽性のATLを対象とした開発を先行して進めてまいりましたが、国内で実施した臨床試験の結果を踏まえ、製造販売承認申請に至りました。また、厚生労働省よりCCR4陽性のATLを対象疾病とした希少疾病用医薬品注5の指定を受けています。

 協和発酵キリンは、特徴ある抗体技術を生かした抗体医薬の開発に取り組むことで、ATLをはじめとした希少疾病を含め、様々な疾患の治療およびQOLの向上に貢献してまいります。


国内第2相臨床試験について
試験の目的 化学療法奏効後に再発又は再燃したCCR4陽性成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)を対象として、KW-0761の1.0 mg/kgを1週間間隔で8回投与したときの有効性及び安全性等を検討する。
目標症例数 25名
主要な評価項目 抗腫瘍効果
有効性 26名について有効性を判定した。
奏効率:50%(95%CI;30 - 70%)内訳:完全寛解8名及び部分寛解5名
無増悪生存期間:中央値として158日
安全性 27名について安全性を判定した。
KW-0761は本試験における投与スケジュールにおいて、忍容性ありと判断した。

注1.成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)
レトロウイルスのHTLV-1が発症に関与している末梢性T細胞腫瘍であり、国内の患者数は約2000名です。一般的に、mLSG15療法などの多剤併用化学療法が施行されますが、移植以外に治癒が期待される治療法は確立されていません。現在、移植療法が積極的に検討されています。一方、再発・再燃例に対しては、悪性リンパ腫の治療法に準じた種々の化学療法が実施されていますが、有効な治療法は確立されていません。

注2.POTELLIGENT® (ポテリジェント)
当社が独自に確立した高ADCC活性抗体作製技術です。本技術を用いることで、抗体が保有する糖鎖の中のフコースを低下させた抗体を作製できます。本技術で作製した抗体は、従来の抗体に比べて、標的細胞を極めて効率的に殺傷し、高い抗腫瘍効果を示すことが動物試験で確認されています。

注3.CCR4(chemokine (C-C motif) receptor 4)
CCR4は、白血球の遊走に関与するケモカインの受容体の一つです。CCR4は、正常組織中ではIL-4およびIL-5などのサイトカインを産生する(CD4陽性の)ヘルパー2型T細胞に選択的に発現することが知られています。また、ある種の血液がんにおいて高発現していることが知られています。

注4.ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity(抗体依存性細胞傷害活性))
抗原に抗体が結合すると、その抗体にマクロファージやNK細胞といったエフェクター細胞が結合します。その後、エフェクター細胞によって抗原を持つ標的細胞が殺傷されます。

注5.希少疾病用医薬品
厚生労働大臣から指定を受けるためには、次の基準をすべて満たしていることが必要とされます。
 1) 我が国において、患者数5万人未満の重篤な疾病が対象であること。
 2) 医療上、特にその必要性が高いこと(代替する適切な医薬品等、又は、治療方法がない、或いは、既存の医薬品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されること)。
 3) 開発の可能性が高いこと(その医薬品を使用する理論的根拠があり、開発計画が妥当であると認められること)。希少疾病用医薬品に指定されると研究開発促進等の措置を受けることが可能になります(厚生労働省医薬食品局による希少疾病用医薬品・希少疾病用医療用具の研究開発促進制度)。


KW-0761に関して、現在実施中のその他の臨床試験
ステージ
開発国
試験概要
第2相
日本
未治療ATLを対象としたKW-0761と多剤化学療法との併用試験
第2相
日本
末梢性T/NK細胞リンパ腫を対象とした試験
第1/2相
米国
皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)および末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を対象とした試験

 

 



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