ニュースリリース

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2010年9月16日

KW-0761(抗CCR4抗体)
成人T細胞白血病リンパ腫に対する併用療法試験開始

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:松田 譲、以下「協和発酵キリン」)は、CCR4注1陽性の成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)注2を対象としたVCAP/AMP/VECP(mLSG15)注3とKW-0761(自社開発の抗CCR4ヒト化モノクローナル抗体)の併用療法についての国内後期第2相臨床試験を開始しましたので、お知らせいたします。

 また、KW-0761は、当社独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT®(ポテリジェント)」注4を用いて作製したヒト化モノクローナル抗体で、2010年8月11日に厚生労働省より、CCR4陽性のATLを適応として希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)注5の指定を受けましたので、併せてお知らせいたします。

 現在、ATLに対してはmLSG15療法などが施行されていますが、治癒が期待される治療法は確立しておりません。また、予後も極めて不良の疾患です。

 今回開始した併用療法試験の主要な目的は、初発未治療のCCR4陽性ATLを対象として、mLSG15療法にKW-0761を上乗せしたときの有効性、およびKW-0761の安全性、薬物動態を評価することです。

 本試験に先立ち実施した治療歴を有するCCR4陽性のATLまたは末梢性T細胞性リンパ腫(PTCL)注616例を対象とした国内第1相試験で、KW-0761単剤の評価が行われました。その結果、KW-0761の忍容性が確認され、奏効率注7は31.3%でした。現在、CCR4陽性の再発・再燃ATLを対象とした国内第2相臨床試験を実施しております。

 協和発酵キリンは、KW-0761の臨床試験を進めることにより、ATLの治療およびQOLの向上に貢献してまいります。


<ATL(初発未治療)を対象としたKW-0761の国内後期第2相臨床試験の概要>
対象疾患 CCR4 陽性の初発未治療ATL
デザイン mLSG15 群とmLSG15+KW-0761 群の多施設共同ランダム化オープン並行群間比較試験(被験者をmLSG15 群とmLSG15+KW-0761 群にランダムに割り付け、非盲検で比較を行う試験)を実施する。
用法 KW-0761 2週間隔で8回点滴静注
mLSG15療法 4コース
予定試験期間 2010年7月~2013年9月
実施場所 日本
主要評価項目 抗腫瘍効果


注1.CCR4(chemokine (C-C motif) receptor 4)
 CCR4は、白血球の遊走に関与するケモカインの受容体の一つです。CCR4は、正常組織中ではIL-4およびIL-5などのサイトカインを産生する(CD4陽性の)ヘルパー2型T細胞に選択的に発現することが知られています。また、がん細胞では、血液がんの1種であるT細胞性リンパ腫において高発現しており、特に、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)の90%以上、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)の約30~40%に発現が認められると報告されています。

注2.成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)
 レトロウイルスであるHTLV-1が発症に関与している末梢T細胞腫瘍であり、患者数は約2000名です。病態によっては血液の中に現れたり(白血病型)あるいは全身のリンパ節が腫れたり(リンパ腫型)するなどさまざまな症状を呈します。未治療のATLに対しては、多剤併用化学療法が施行されますが、治癒が期待される治療法は確立されていません。現時点でもっとも良好な治療成績が示されたmodified LSG15レジメン(J Clin Oncol 2007; 25: 5458-64)においても、生存期間中央値は12.7ヵ月と報告されており、予後は極めて不良です。また、若年者に対しては、同種造血幹細胞移植も検討されていますが、移植後早期の治療関連死亡が少なくないこと(Leukemia 2005; 19: 829-34)等から、更なる検討が必要とされています。さらに、再発・再燃例に対しては、悪性リンパ腫の治療法に準じた種々の多剤併用化学療法が実施されているものの、現時点で標準治療は確立されていません。

注3.mLSG15(modified LSG15療法)
 ビンクリスチン、シクロフォスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン、ラニムスチン、ビンデシン、エトポシド、カルボプラチン、シタラビンおよびメソトレキセートを決められた投与スケジュールでおこなう化学療法です。

注4.POTELLIGENT®(ポテリジェント)
 当社が独自に確立した高ADCC活性抗体作製技術です。本技術を用いることで、抗体が保有する糖鎖の中のフコースを欠失させた抗体を作製できます。本技術で作製した抗体は、従来の抗体に比べて、標的細胞を極めて効率的に殺傷し、高い抗腫瘍効果を示すことが動物試験レベルで確認されています。

注5.希少疾病用医薬品(オーファンドラック)
 オーファンドラッグとして厚生労働大臣から指定を受けるためには、次の基準をすべて満たしていることが必要とされます。
    1) 我が国において、患者数5万人未満の重篤な疾病が対象であること。
  2) 医療上、特にその必要性が高いこと(代替する適切な医薬品等、又は、治療方法がない、或いは、既存の医薬品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待されること)。
  3) 開発の可能性が高いこと(その医薬品を使用する理論的根拠があり、開発計画が妥当であると認められること。) オーファンドラッグに指定されると研究開発促進等の措置(助成金の交付、税制上の措置、指導・助言、優先審査の実施および再審査期間の延長)を受けることが可能になります。(厚生労働省 医薬食品局 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療用具の研究開発促進制度)

注6.末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)
 皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)を含む、末梢性のT細胞リンパ腫です。

注7.奏効率
 完全寛解もしくは部分寛解の割合です。

 



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