血液透析施行中の高リン血症を対象としたtenapanor(KHK7791)の国内第2相臨床試験開始

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本 昌志、以下「協和発酵キリン」)は、米国Ardelyx社(カリフォルニア州Fremont、社長兼CEO:Mike Raab、以下「Ardelyx」)から導入した低分子化合物tenapanor(開発番号:KHK7791)注1について、国内第2相臨床試験を開始しました。

tenapanorは経口投与による選択的な腸管Na+/H交換輸送体(NHE3)阻害剤であり、現在の標準的な治療薬であるリン吸着薬とは異なる新規作用機序を有しています。本試験は、血液透析施行中の高リン血症の患者さんを対象とした日本で実施される多施設共同非盲検単群の第2相臨床試験です。本試験では、リン吸着薬からtenapanorへ切り替えた際の有効性および安全性を評価します。

本試験のほか、今後2つの第2相臨床試験、血液透析施行中の高リン血症を対象としたtenapanorの単剤用量反応試験およびリン吸着薬との併用試験も実施する予定です。

協和発酵キリンは2017年11月28日に、Ardelyxとの間で、本剤の日本における高リン血症を含む心腎疾患領域を対象とした独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結しました。なお、本剤については、現在米国にて透析施行中の末期腎不全に伴う高リン血症を対象とした第3相臨床試験がArdelyxにより実施されています。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

本試験の概要

この表はスクロールしてご覧いただけます

試験名 血液透析施行中の高リン血症患者を対象としたKHK7791の第Ⅱ相非盲検リン吸着薬切替え試験
(多施設共同非盲検単群試験)
対象 維持透析下の高リン血症患者
主要評価項目 有効性
目標被験者数 60
実施地域 日本
試験終了予定時期 2019年11月
  • 注1 tenapanor (KHK7791)について
    tenapanorはArdelyxによって創製・開発された、ファーストインクラスの開発品で、経口投与で吸収されにくい特徴を有しています。本剤は、高リン血症に対して特徴的な作用機序であるNHE3阻害を通じて、食事によるナトリウムの吸収を抑え、結果として細胞内のプロトン濃度を上昇させます。このプロトン濃度の上昇は、消化管のリン吸収を制御する細胞間接着を強固にし、リンの取り込みを抑制します。Ardelyxがこれまでに実施した非臨床もしくは臨床試験においてナトリウム以外の他のイオンに対して同様の現象は認められておらず、本剤の作用機序はリンに選択的であると考えられています。
トップへ戻る