協和キリン富士フイルムバイオロジクスマイラン社とヒト型抗TNF-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」の販売で提携

協和キリン富士フイルムバイオロジクス株式会社(代表取締役社長:鳥居義史、以下協和キリン富士フイルムバイオロジクス)は、Mylan N.V.(プレジデント:ラジブ・マリック、以下マイラン社)と、現在開発中のヒト型抗TNF-α※1モノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」のバイオシミラー医薬品(開発番号:「FKB327」)の販売で提携します。協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、この度、欧州における「FKB327」の独占的販売権をマイラン社に付与する契約を締結しました。

「FKB327」は、関節リウマチ※2等に高い治療効果を持つヒト型抗TNF-αモノクローナル抗体製剤「アダリムマブ」(製品名:ヒュミラ®※3のバイオシミラー医薬品です。協和キリン富士フイルムバイオロジクスが欧州で販売承認申請を行い、2017年5月18日に欧州医薬品庁(EMA)に受理されています。現在審査が進められており、EMAによる同剤の販売承認の取得は2018年後半になる見込みです。

今回締結した契約に基づき、協和キリン富士フイルムバイオロジクスはマイラン社から契約一時金と、発売時マイルストーンおよび販売ロイヤルティなどを受け取ります。今後、欧州における「FKB327」の販売はマイラン社が担います。また、他の地域における同剤の独占的販売に関して協和キリン富士フイルムバイオロジクスはマイラン社と交渉を進めます。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、2012年3月27日に、富士フイルム株式会社(代表取締役社長:助野健児)と協和発酵キリン株式会社(代表取締役社長:宮本昌志)が設立したバイオシミラー医薬品の開発・製造・販売会社です。現在、「FKB327」の他、大腸がんや非小細胞肺がんなどに高い治療効果を持つ抗VEGFヒト化モノクローナル抗体製剤「ベバシズマブ」のバイオシミラー医薬品(開発番号:「FKB238」)の開発も進めています。

尚、「FKB238」に関しては、協和キリン富士フイルムバイオロジクスが2015年7月に本剤の開発・販売で英国AstraZeneca plc(CEO:パスカル・ソリオ)と提携し、現在、両社折半出資による合弁会社「Centus Biotherapeutics Ltd.」にて開発しています。

協和キリン富士フイルムバイオロジクスは、富士フイルムが長年写真フィルムなどの事業で培った高度な生産技術や品質管理技術、解析技術と、協和発酵キリンがバイオ医薬品の研究・開発・製造で蓄積してきた独自技術・ノウハウを融合させて、バイオシミラー医薬品の画期的な生産プロセスの創出やコスト低減を行っています。これにより、高信頼性・高品質でコスト競争力にも優れたバイオシミラー医薬品を開発・製造し、適切なタイミングで市場に導入することで、主導的ポジションの獲得を目指します。

  • ※1:TNF(腫瘍壊死因子)-α:体内で情報伝達の役割を持つサイトカインの1種で、細胞接着分子の発現やアポトーシス(プログラミングされた細胞死)の誘導、抗体産生の促進により感染防御や抗腫瘍作用に関与するが、過剰に発現した場合は関節リウマチ、乾癬(かんせん)などの発症を招きます。
  • ※2:関節リウマチ:炎症性自己免疫疾患の一つ。自己免疫が手足の関節を侵し、関節痛や関節の変形が生じ日常生活に支障をきたします。また関節以外にも全身の症状として、だるさなどが起きることもあります。
  • ※3:「ヒュミラ®」は多発性の炎症性疾患の治療に用いられる抗TNF-αモノクローナル抗体製剤で、欧州では関節リウマチや、若年性特発性関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、汗腺膿瘍、ブドウ膜炎の適応を有しています。「ヒュミラ®」は2017年に全世界で184億ドル、内、欧州で41億ドル(IQVIA社調べ)の売上高を記録している、世界で最も販売されているバイオ医薬品です。
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