バルドキソロンメチル(RTA 402)が糖尿病性腎臓病を対象に「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:宮本昌志、以下「協和発酵キリン」)は、リアタ ファーマシューティカルズ(米国テキサス州アービング、CEO:ウォーレン・ハフ、以下「リアタ社」)から導入した低分子化合物バルドキソロンメチル注1(開発番号:RTA 402)について、糖尿病性腎臓病注2を対象に、3月27日付で厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されましたので、お知らせします。

先駆け審査指定制度は、画期的な新薬等を日本で早期に実用化することを目的として、その開発を促進するために創設された制度です。この制度では、原則として既承認薬と異なる作用機序により、極めて高い有効性が期待される医薬品が指定され、指定された品目は、薬事承認に係る相談・審査における優先的な取扱いを受けることができます。

協和発酵キリンは2009年12月24日に、リアタ社との間で、本剤の日本、中国、台湾、韓国及び東南アジア諸国における腎疾患等を対象とした独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を締結しております。現在、協和発酵キリンは、RTA 402の有効性及び安全性を検証するための第3相臨床試験の開始に向け準備を進めています。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • 注1:バルドキソロンメチル
    バルドキソロンメチルは、体内のストレス防御反応において中心的な役割を果たす転写因子Nrf2を活性化する低分子化合物です。広範な抗酸化ストレス及び抗炎症作用により、腎機能を改善させると考えられます。実際に、国内で実施された第2相臨床試験(TSUBAKI試験)では、バルドキソロンメチルがイヌリンクリアランス法により測定したGFR(腎機能)を明確に改善することが示されました。
  • 注2:糖尿病性腎臓病(DKD: Diabetic Kidney Disease)
    糖尿病性腎臓病(DKD)は、糖尿病に起因し、新規に血液透析を導入する患者さんに最も多くみられる慢性腎臓病(CKD: Chronic Kidney Disease)です。CKDは、放置すると腎機能の低下とともに末期腎不全となり、最終的に慢性透析療法や腎移植が必要となります。腎機能低下には、過剰な酸化ストレス及び炎症が関与することが知られています。
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