burosumabが欧州医薬品評価委員会(CHMP)から小児X染色体遺伝性低リン血症治療薬としての肯定的な見解を取得

本ニュースリリースは、当社と当社子会社のKyowa Kirin International PLC、ならびに米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカルが発表した英文プレスリリースを、当社が日本語に翻訳し、発表しています。本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことをご留意下さい。
協和発酵キリングローバルサイト:www.kyowakirin.com別ウィンドウで開きます

協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)および当社の欧州子会社であるKyowa Kirin International PLC(本社:英国ガラシールズ、代表取締役社長:トム・ストラットフォード、以下「協和キリンインターナショナル」)とウルトラジェニクス・ファーマシューティカル(本社:米国、社長:エミル・D・カキス、以下「ウルトラジェニクス」)は、本日、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)が、X線画像診断による骨疾患所見を有し成長期にある1歳以上の小児および青少年におけるX染色体遺伝性低リン血症(XLH)の治療薬として、burosumabの条件付き医薬品販売承認を勧告する肯定的な見解を発表したことをお知らせします。

XLHは、遺伝的な原因により血中のFGF23が過剰となることで、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な慢性疾患です。承認されれば、burosumabは本疾患における過剰に分泌したFGF23に直接作用する世界で初めての治療薬となります。

CHMPの見解は欧州委員会(EC)に提出され、欧州委員会は、本剤の条件付き販売承認に関する最終決定を行います。2018年の第1四半期には最終承認結果がおりることが想定され、承認されれば、EU28ヶ国およびノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインにおいてその決定が適用されます。通常、欧州委員会はCHMPの勧告に従いますが、確定事項ではありません。なお、今回の条件付き医薬品販売承認においては、現在進行中の小児XLHを対象としたburosumabの臨床試験を完遂させることが必要とされます。

X染色体遺伝性低リン血症(XLH)について
XLHは、遺伝的な原因により血中のFGF23が過剰となることで、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患です。XLHは幼児から発症し、成人までその影響がみられます。小児のXLH患者さんでは、骨疾患を引き起こし、下肢の変形や低身長が多くみられます。
burosumab(KRN23)について
burosumabは協和発酵キリンにより発見された線維芽細胞増殖因子23(FGF23)に対する完全ヒトモノクローナル抗体です。FGF23は、腎臓におけるリン排泄と活性型ビタミンD産生を制御することで、血清リンおよび活性型ビタミンD濃度を低下させる液性因子です。burosumabはFGF23の過剰発現に由来した疾患であるXLHおよび腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象として、ウルトラジェニクスと協和発酵キリンにより開発が行われています。XLHおよびTIOのリン排出はFGF23の過剰な作用により引き起こされています。burosumabは、XLHおよびTIOの患者さんのFGF23の過剰な作用を阻害することで、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウムの吸収を促進するビタミンDの産生を増加させます。成人および小児のXLHの患者さんに対するburosumabの臨床試験は現在も行われています。またburosumabは、FGF23を過剰に産生する腫瘍に起因する疾患である、重症の骨軟化症や骨折、骨痛、筋肉痛、さらに筋肉の衰弱を引き起こす、TIOを対象疾患として、現在開発されています。米国では、FDAが現在、burosumabの小児・成人XLHを対象とした生物製剤承認申請(BLA)の審議を行っているところで、審査終了目標日(the Prescription Drug User Fee Act action date)は2018年4月17日となっています。
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