ニュースリリース

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2017年12月4日PDF file:New window opensPDF版(174KB)

burosumab(KRN23)の成人X染色体遺伝性低リン血症を対象とした第3相臨床試験結果(48週間集計データ)について

本ニュースリリースは、当社と当社子会社のKyowa Kirin International PLC、ならびに米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカルが発表した英文プレスリリースを、当社が日本語に翻訳し、発表しています。本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことをご留意下さい。
協和発酵キリングローバルサイト:www.kyowa-kirin.comNew window opens

協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)および当社の欧州子会社であるKyowa Kirin International PLC(本社:英国ガラシールズ、代表取締役社長:トム・ストラットフォード、以下「協和キリンインターナショナル」)とウルトラジェニクス・ファーマシューティカル(本社:米国、社長:エミル・D・カキス、以下「ウルトラジェニクス」)は、本日、成人X染色体遺伝性低リン血症(XLH)を対象としたburosumab(KRN23)の第3相臨床試験における48週間までの試験期間で得られた結果をお知らせします。

ウルトラジェニクスと協和発酵キリンの間で締結した協業およびライセンス契約に基づき、ウルトラジェニクス、協和発酵キリンおよび協和キリンインターナショナルの3社は、共同でburosumabのグローバルな開発に取り組んでいます。

試験結果の概要

burosumab投与群は、48週の試験期間中、血清リン濃度は正常域に維持され、関節のこわばり(stiffness)、運動機能(physical function)および痛み(pain)のさらなる改善が認められました。プラセボからburosumabへの移行群においても、24週以降、血清リン濃度は正常域に達し、関節のこわばり(stiffness)、運動機能(physical function)および痛み(pain)の改善が認められました。骨折の治癒に関しては、burosumab投与群では最初の24週間で観察され、その後48週まで骨折治癒率の更なる上昇が認められました。プラセボからburosumabへの移行群においても同様に、骨折治癒率の上昇が認められました。安全性については、本試験でこれまで得られた結果や、成人・小児XLHで実施した他のburosumabの試験において得られた結果と一致していました。

表1.試験デザイン概要
試験開始〜24週(二重盲検) 24週〜48週(オープンラベル) 被験者数
burosumab投与群 burosumab投与 burosumab投与 68名
プラセボからBurosumabへの移行群 プラセボ投与 burosumab投与 66名
  1. burosumabは、いずれの群においても、4週間ごとに1mg/kgを投与
  2. 本試験において、24週時点でプラセボからburosumabの投与を開始(移行)した群のことを「プラセボからburosumabへの移行群」として表記します。

試験結果:有効性

本試験は134名の患者さんが参加し、最初の24週間の二重盲検期間は1:1の割合でburosumab投与(4週間ごとに1mg/kg)群とプラセボ群にランダムに割り付けられました。その後、両群はオープンラベル期間に移行し、すべての被験者は4週間ごとに1mg/kgのburosumab投与を継続しています。

  1. 血清リン濃度
    48週後、burosumab投与群(68名)のうち84%が、血清リン濃度の正常値下限である2.5mg/dLを超えて上昇し、その後も正常値下限以上を維持しました。24週以降プラセボからburosumabへの移行群(66名)では、89%が正常値下限を超え、その後も正常値下限以上を維持しました。
  2. こわばり・運動機能
    burosumab投与により、WOMAC®(the Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)にて測定されたこわばりや運動機能において、継続した改善が認められました。burosumab投与群では、こわばりの改善度は24週時点で平均7.42ポイントでしたが、48週時点では16.03ポイントと更に改善しました。またプラセボからburosumabへの移行群では、24週時点から48週時点で平均15.82ポイント改善しました。運動機能についても、こわばりと同様、burosumab投与群で24週時点の平均2.78ポイントから48週時点で平均7.76ポイントと更に改善しました。プラセボからburosumabへの移行群の運動機能については、24週時点から48週時点で平均8.18ポイント改善しました。
  3. 痛み・疼痛治療薬の使用
    BPI Q3(the Brief Pain Inventory Question3:直近24時間で最も酷い痛み)を用いた指標において、burosumabは痛みの低減に寄与したほか、疼痛治療薬の使用の軽減にも寄与しました。burosumab投与群の痛みのスコアは、24週時点で平均0.81ポイント改善し、48週時点では1.09ポイントまで改善しました。プラセボからburosumabへの移行群は、24週時点から48週時点の間に平均1.18ポイントの改善となりました。
    表2.各投与群の成績(変化量の平均値)
    burosumab投与群※1 プラセボからburosumabへの移行群※2
    24週時点 48週時点 48週時点 評価指標
    こわばり 7.42ポイント 16.03ポイント 15.82ポイント WOMAC®
    運動機能 2.78ポイント 7.76ポイント 8.18ポイント WOMAC®
    痛み 0.81ポイント 1.09ポイント 1.18ポイント BPI Q3
    1. ※1
      試験開始時との比較
    2. ※2
      24週時点との比較

    48週時点において、burosumab投与群におけるオピオイドを使用する被験者の割合は76%減少しました(試験開始時:17名(25%)、48週時点:4名(6%))。また、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)を使用している被験者は72%低減しました(試験開始時:47名(69%)、48週時点:13名(19%))。一方、プラセボからburosumabへの移行群ではオピオイドを使用する被験者の割合は70%減少し(試験開始時:13名(19%)、48週時点:4名(6%))、また同群で(NSAIDs)を使用している被験者は74%減少しました(試験開始時:43名(65%)、48週時点:11名(17%))。

    表3.両群における疼痛管理薬剤の使用被験者数
    burosumab投与群 プラセボからburosumabへの移行群
    試験開始時 48週時点 試験開始時 48週時点
    オピオイド薬 17名 4名 13名 4名
    非ステロイド抗炎症薬 47名 13名 43名 11名
  4. 骨折
    24週時点における両群間の評価により、burosumab投与により骨折(骨折および偽骨折)の治癒が促進される結果が得られていましたが、これは48週まで継続することが認められました。試験開始時点では両群で52%の被験者が骨折または偽骨折と診断されていましたが、X線画像によるフォローアップ評価において、burosumab投与群では、24週時点での骨折治癒率は43%で、48週時点では63%まで増加しました。プラセボからburosumabへの移行群では、24週時点での骨折治癒率は8%でしたが、48週では35%まで増加しました。プラセボからburosumabへの移行群の骨折治癒の結果は、burosumab投与群における最初の24週で観察された効果と一致しました。

試験結果:安全性

治療により観察された重大あるいは重大でない有害事象、治療関連の有害事象、重大な有害事象の発生頻度は、burosumab投与群およびプラセボからburosumabへの移行群の両群間において、違いは認められませんでした。48週時点での安全性プロファイルは概ね24週時点で観察されていたものと同様でした。burosumab投与中の被験者において、頻繁に認められた有害事象(発生頻度:10%以上)は、関節痛(24%)、鼻咽頭炎(22%)、頭痛(20%)、背痛(16%)、歯の膿瘍(13%)、けん怠感(13%)、下肢静止不能症候群(11%)、極度の痛み(11%)、痛み(11%)、歯痛(11%)、ビタミンD欠乏(10%)、および筋骨格の痛み(10%)でした。burosumab投与を受けた被験者の11%に過敏症の反応が発生しました。burosumab投与期間中に15の重大な有害事象(SAEs)が発生しましたが、これらは治療との関連性はないと判定されました。血清intact PTH濃度および腎臓の超音波あるいは心エコー検査を用いた異所性石灰化評価においても、投与群による違いは認められませんでした。

134名の被験者のうち、burosumab投与群の被験者1名が24週の二重盲検期間中に治療を中止しました。オープンラベルの継続投与試験期間中に、7名の被験者が投与を中止しましたが、いずれも有害事象や忍容性に関連するものではありませんでした。1名の被験者において、治療とは関連しない交通事故による死亡が48週データ収集後に報告されました。

成人XLHを対象としたburosumabの第3相臨床試験について
本試験はランダム化二重盲検プラセボ比較試験であり、米国、欧州、カナダ、日本および韓国における134名の成人XLH患者さんに対する4週間ごとのburosumab投与による有効性および安全性を評価する目的でデザインされました。本試験における主要評価項目は24週間時点で血清中の平均リン濃度が正常域にあった被験者の割合としています。副次評価項目は、BPI Q3による痛みの評価、WOMAC®によるこわばりおよび運動機能の評価、骨折および偽骨折の画像診断上の治癒および安全性としていました。試験期間24週以降は、全ての被験者が72週のオープンラベル延長試験としてburosumab投与を受けています。
ウルトラジェニクスは第2のオープンラベル試験として、14名の成人XLH患者さんを対象に骨生検による骨軟化症(XLHに見られる症状)改善を評価するための第3相臨床試験も実施しています。この試験は、burosumabの骨に対するより直接的な効果を評価することで、これまでの第3相臨床試験から得られた血清リンや患者さんの症状に関する結果を補完するものとなります。
burosumab(KRN23)について
burosumabは協和発酵キリンにより創製された線維芽細胞増殖因子23(FGF23)に対する完全ヒトモノクローナル抗体です。FGF23は、腎臓におけるリン排泄と活性型ビタミンD産生を制御することで、血清リンおよび活性型ビタミンD濃度を低下させる液性因子です。burosumabはFGF23の過剰発現に由来した疾患であるXLHおよび腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象として、ウルトラジェニクスと協和発酵キリンにより開発が行われています。XLHおよびTIOのリン排出はFGF23の過剰な作用により引き起こされています。burosumabは、XLHおよびTIOの患者さんのFGF23の過剰な作用を阻害することで、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウムの吸収を促進するビタミンDの産生を増加させます。
成人および小児のXLHの患者さんに対するburosumabの臨床試験は現在も行われています。またburosumabは、FGF23を過剰に産生する腫瘍に起因する疾患である、重症の骨軟化症や骨折、骨痛、筋肉痛、さらに筋肉の衰弱を引き起こす、TIOを対象疾患として、現在開発されています。


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