burosumabの米国・EUでの薬事申請に関する今後の見通しについて

本ニュースリリースは、当社と当社子会社のKyowa Kirin International plc.が発表した英文プレスリリースを、協和発酵キリンが日本語に翻訳し、発表しています。本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことをご留意下さい。
協和発酵キリン グローバルサイト:www.kyowakirin.com別ウィンドウで開きます

協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)と協和発酵キリンの欧州子会社であるKyowa Kirin International plc.※1(英国ガラシールズ、代表取締役社長:トム・ストラッドフォード、以下「協和キリンインターナショナル」)は、現在ウルトラジェニクス・ファーマスーティカル(以下「ウルトラジェニクス」)と共同で開発中の抗線維芽細胞増殖因子23※2(Fibroblast Growth Factor 23、以下「FGF23」)完全ヒト抗体burosumabの米国での生物製剤認可申請(BLA)の予定とEUでの進行中の薬事申請に関する更新情報についてお知らせします。

  1. 小児・成人X染色体遺伝性低リン血症(XLH)※3の米国における承認申請は2017年8月に行う予定です。
    2017年6月に米国医薬食品局(FDA)は、burosumabが、臨床試験で得られたデータに基づきBLAが可能であることに加え、小児および成人XLHのいずれについても適応症として審査可能であることについて合意しました。小児XLHについては、小児第2相試験における5~12歳の64週間のデータおよび1-4歳に関する24週間のデータが申請に用いられる予定です。なおFDAは、現在進行中の小児XLHを対象とした第3相試験のデータは不要と判断しました。成人XLHの申請については、プラセボ対照二重盲検比較第3相試験の24週間のデータが申請に用いられる予定です。また、FDAは、成人XLHにおける骨生検の実施を伴うオープンラベルの第3相臨床試験(48週間)のデータも追加資料として受け入れることに合意しました。
  2. 米国FDAがburosumabをrare pediatric diseaseに対する薬剤に指定しました。
    FDAのOffice of Orphan Drug Development (OOPD)は、XLH治療に用いるburosumabを「rare pediatric disease」に対する薬剤として指定しました。FDAのRare Pediatric Disease Priority Review Voucher programにおいては、「rare pediatric disease」に対する新薬で承認を取得した企業は、以後別の製品で申請を行う際にPriority Reviewを受けることのできるvoucherを受け取ることができます。このvoucherは、受け取った会社自身が使用するか、第三者に販売することが可能です。
  3. EUにおける条件付き承認申請において、小児XLH適応を優先します。
    最近得られた成人XLHに対する第3相試験のデータの追加提出による審査期間の延長の可能性を回避し、burosumabを小児XLHへの迅速な提供を確実にするため、欧州医薬庁に申請中のXLHを対象とする製造販売承認申請を小児XLHの適応に限定することとしました。今後、小児XLHに対する製造販売承認が得られ次第、成人XLHに対する適応拡大を行う予定です。

協和発酵キリンは、KRN23の開発、販売に関して、ウルトラジェニクス社と協業およびライセンス契約を2013年に締結しています。2017年5月に当社のグループ会社(以下、「同社」)とウルトラジェニクスはトルコにおける販売権をウルトラジェニクスに許諾する契約を締結しましました。なお、同社はトルコにおいてウルトラジェニクスより、一定の期間経過後から販売活動を引き継ぐことができる権利を有しています。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • ※1:Kyowa Kirin International plc.
    協和キリンインターナショナルは協和発酵キリンの100%子会社となる海外関連企業で、欧州(英国、スペイン、フランス、ドイツ、イタリアなど)および米国において医薬品の販売をおこなっています。詳細な情報はこちらのHPをご参照ください。www.international.kyowa-kirin.com/別ウィンドウで開きます
  • ※2:線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
    FGF23は、主として骨組織で産生される251アミノ酸からなるポリペプチドであり、腎臓に作用し、腎尿細管でのリンの再吸収を阻害します。近年、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患におけるFGF23の関与が示唆されています。
  • ※3:X染色体遺伝性低リン血症(XLH)
    XLHは、遺伝的な原因により血中のFGF23が過剰となることで、体内のリンが尿中に過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患です。
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