ニュースリリース

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2017年4月19日PDF file:New window opensPDF版(111KB)

burosumab(KRN23)の成人X染色体遺伝性低リン血症を対象とした第3相臨床試験結果について

本ニュースリリースは、当社と当社子会社の Kyowa Kirin International PLC、および米国ウルトラジェニクス・ファーマシューティカルが発表した英文プレスリリースを、協和発酵キリンが日本語に翻訳し、発表しています。本ニュースリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先しますことをご留意下さい。
協和発酵キリン グローバルサイト:www.kyowa-kirin.comNew window opens

協和発酵キリン株式会社(本社:東京、社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)及び当社の欧州子会社である Kyowa Kirin International PLC(本社:英国、社長:トム・ストラットフォード)とウルトラジェニクス・ファーマシューティカル(本社:米国、社長:エミル・D・カキス)は、本日、成人X染色体遺伝性低リン血症(XLH)を対象としたburosumab(KRN23)の第3相臨床試験の結果をお知らせいたします。

今回の第3相臨床試験は無作為化プラセボ対照2重盲検比較試験であり、米国、欧州、カナダ、日本および韓国における134名の成人XLHの患者さんを対象に、4週に1度のburosumabの投与(1mg/kg)による有効性と安全性を評価しました。主要評価項目は投与開始後24週間における血清リン濃度の平均値が正常域にある被験者の割合です。副次評価項目のうち、Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC®)における関節のこわばり(stiffness)と運動機能(physical function)、Brief Pain Inventory Question 3(BPI Q3)における痛みに関するQuality of life(QOL)の改善度の3項目を主要な副次評価項目としました。なお、試験開始24週後、全ての被験者は本試験の延長期間として引き続きburosumabの投与を受けています。

表 試験概要
被験者数 134名(burosumab 投与群:68名、プラセボ投与群:66名)
試験デザイン 無作為化プラセボ対照2重盲検比較試験
試験期間 24週
用法・用量 4週に1度、1mg/kgを投与
主要評価項目 24週間における血清リン濃度の平均値が正常域にある被験者の割合
WOMAC®における関節のこわばり
主な副次評価項目 WOMAC®における運動機能
BPI Q3における痛みに関するQOLの改善度

有効性に関する結果

本試験において、血清リン濃度の正常値下限を超えて上昇し、その血清リン濃度が24週にわたり正常値下限以上を維持した被験者の割合はプラセボ群で8%であったのに対してburosumab投与群では94%であり(p<0.0001)、本試験の主要評価項目を達成しました。

一方、主な副次評価項目については、24週時点において、関節のこわばりについてはburosumab投与群で平均7.87ポイント改善しましたが、プラセボ投与群では0.25ポイント悪化しました(p=0.0122)。運動機能はburosumab投与群で3.11ポイント改善し、プラセボ投与群で1.79ポイント悪化しました(p=0.0478)。また、痛みに関するQuality of life(QOL)の改善度はburosumab投与群で0.79ポイント改善した一方、プラセボ投与群では0.32ポイントの改善でした(p=0.0919)。

これらの重要な3つの副次評価項目の結果は、すべて一貫して改善していますが、これらの項目を多重解析した結果、burosumab投与群での関節のこわばりの改善は統計学的に有意と判定され(閾値 p<0.0167)、運動機能と痛みについては改善傾向がみられました。

安全性に関する結果

有害事象および治療関連の有害事象、重大な有害事象の発生頻度は2群間で違いは認められませんでした。

高頻度に(10%以上)発生した有害事象は、burosumab群及びプラセボ群の順で背部痛(15%、9%)鼻咽頭炎(13%、9%)、歯の膿瘍(13%、8%)、注射部位反応(12%、12%)、頭痛(12%、 8%)、下肢静止不能症候群(12%、8%)、めまい(10%、6%)、悪心(10%、9%)、関節痛(9%、 24%)、極度の痛み(7%、15%)そして口腔咽頭の痛み(2%、11%)でした。注射による過敏症の発生もありませんでした。

重大な有害事象は2件、両投与群で見られましたが、いずれも治療との関連性はないと判定されました。

血清intact-PTHの推移、もしくは腎臓の超音波および心エコー検査を用いた異所性石灰化評価についても、投与群による違いは認められませんでした。

本試験に登録された134名の被験者のうち、burosumab投与の被験者1名が、試験期間中、被験者本人の申し出により、試験への参加を中止しました。なお、本試験における死亡例はありません。

現在、14名の成人XLH患者さんを対象に、XLHにみられる病理学的変化である骨軟化症の改善の評価を目的に、骨生検の実施を伴うオープンラベルの骨評価第3相臨床試験を別途実施中です(症例登録は既に完了)。本試験は骨に対するburosumabの効果をより直接的に評価することにより、今回公表した第3相臨床試験で得られたリンと患者さんの症状に関するデータを補完するものです。

burosumab(KRN23)について
burosumabは協和発酵キリンにより発見された線維芽細胞増殖因子23(FGF23)に対する完全ヒトモノクローナル抗体です。FGF23は、腎臓におけるリン排泄と活性型ビタミンD産生を制御することで、血清リンおよび活性型ビタミンD濃度を低下させる液性因子です。burosumabはFGF23の過剰発現に由来した疾患であるXLHおよび腫瘍性骨軟化症(TIO)を対象として、ウルトラジェニクスと協和発酵キリンにより開発が行われています。XLHおよびTIOのリン排出はFGF23の過剰な作用により引き起こされています。burosumabは、XLHおよびTIOの患者さんのFGF23の過剰な作用を阻害することで、腎臓におけるリンの再吸収を増加させ、腸管におけるリンとカルシウムの吸収を促進するビタミンDの産生を増加させます。
成人および小児のXLHの患者さんに対するburosumabの臨床試験は現在も行われています。またburosumabは、FGF23を過剰に産生する腫瘍に起因する疾患である、重症の骨軟化症や骨折、骨痛、筋肉痛、さらに筋肉の衰弱を引き起こす、TIOを対象疾患として、現在開発されています。


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