アストラゼネカ社とのベンラリズマブに関するアジアライセンス契約の締結について

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は英国アストラゼネカ社(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下「アストラゼネカ」)と、ベンラリズマブ(一般名)の重症気管支喘息注1および慢性閉塞性肺疾患(COPD)注2を対象として、日本を除くアジア各国・地域における独占的な開発および販売に関する契約を締結したことをお知らせいたします。

ベンラリズマブは好酸球に対するヒト化モノクローナル抗体であり、インターロイキン-5受容体αサブユニットを標的としてADCC活性注3により好酸球を速やかに除去します。好酸球は喘息患者さんの約50%に多く発現しており、炎症性呼吸器疾患に関与が強いとされ、肺機能の悪化や喘息症状等を引き起こします。

今回の契約に基づき、アストラゼネカは協和発酵キリンに対し契約一時金1,500万ドルと、薬事および販売のマイルストン、および売上に対し二桁前半パーセントの販売ロイヤルティーを支払います。また、アストラゼネカは既に販売権を有する日本を除くアジアにおける13の国及び地域でのベンラリズマブの開発及び販売活動を担います。

なお、協和発酵キリンは日本でのベンラリズマブの販売に関して、2015年にアストラゼネカと別途オプション契約を締結し、アストラゼネカは2016年にこのオプション権を行使しました。これによりアストラゼネカは日本におけるベンラリズマブの製造販売承認申請及び販売活動の責任を担っています。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • 注1.喘息
    喘息は気管支が免疫系の反応で可逆的に収縮する気道の慢性炎症性疾患で、花粉、菌類の胞子やチリダニ等の吸入により発生するアレルギー性喘息と運動,咳そう,呼吸器のウイルス感染、作業環境における煙や化学物質等の吸入により発生する非アレルギー性喘息に分類されます。
  • 注2.慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)
    主に喫煙や公害等による有毒な粒子やガスの長期吸入・曝露により肺において気流の閉塞が生じる進行性の炎症性疾患です。運動時の呼吸困難や慢性の咳・痰等を伴います。
  • 注3.ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity(抗体依存性細胞傷害))
    ADCCは免疫応答の1種です。標的細胞にある抗原に抗体が結合すると、その抗体にエフェクター細胞(NK細胞など)が結合します。その後、エフェクター細胞によって抗原を持つ標的細胞が除去されます。
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