成人X染色体遺伝性低リン血症を対象とした抗FGF23完全ヒト抗体KRN23の第3相国際共同治験開始

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、成人X染色体遺伝性低リン血症※1(XLH)を対象とした抗線維芽細胞増殖因子23※2(Fibroblast Growth Factor 23、以下「FGF23」)完全ヒト抗体KRN23の第3相国際共同治験を開始しましたのでお知らせします。

協和発酵キリンは、KRN23の開発、販売に関して、ウルトラジェニクス・ファーマスーティカル(以下「ウルトラジェニクス」)と協業およびライセンス契約を締結しています。

今回開始した試験は、米国、EU、カナダ、日本、韓国で実施する第3相無作為化プラセボ2重盲検試験で、約120例の成人XLH患者さんを対象として、月1回KRN23を投与し、投与開始後24週時点での有効性と安全性を評価します。本試験の主要評価項目は24週間にわたる血清リン濃度です。また、主要な副次評価項目では、試験開始24週目時点における痛みに関するQuality of life(QOL)の改善度※3を評価します。他の副次的評価項目としては、骨痛、関節のこわばり、倦怠感、運動機能および全般的なQOLを評価することを計画しています。成人XLHを対象とした臨床試験としては、本試験の他に、KRN23の骨軟化症に対する有効性を評価することを目的とした、骨生検試験の実施を計画中です。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • ※1:X染色体遺伝性低リン血症(XLH)
    XLHは、血中に高濃度で存在するFGF23により、体内のリンが過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患です。
  • ※2:線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
    FGF23は、主として骨組織で産生される251アミノ酸からなるポリペプチドであり、腎臓に作用し、腎尿細管でのリンの再吸収を阻害します。近年、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患におけるFGF23の関与が示俊されています。
  • ※3:痛みに関するQOLの改善度
    Brief Pain Inventory Scoreという質問票を用いて、24時間以内で最も強く感じた痛みをスコア化し、改善度を評価します。
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