アストラゼネカ社とのBenralizumab(KHK4563)に関するオプション契約締結について

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)はアストラゼネカ社(英国ロンドン、CEO:パスカル・ソリオ、以下「アストラゼネカ」)と、喘息※1および慢性閉塞性肺疾患(COPD)※2で開発中のBenralizumab(一般名、開発コード:KHK4563)について、日本における販売に関する独占的オプション契約を締結したことをお知らせいたします。

Benralizumabは当社独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT®(ポテリジェント)※3」を応用した、インターロイキン-5受容体αサブユニットに対するヒト化モノクローナル抗体であり、炎症性呼吸器疾患に関与が強いとされる好酸球をADCC活性※4により速やかに除去します。現在、Benralizumabは協和発酵キリンが日本およびアジア各国での開発および販売に関する権利を有している一方、協和発酵キリンの米国子会社であるBioWa社※5がアストラゼネカに導出し、アストラゼネカは協和発酵キリンが権利を有するアジアの国と地域以外の欧米を含む国と地域における独占的な権利を有しています。

今回のオプション契約に基づき、アストラゼネカは協和発酵キリンに対し契約一時金4,500万ドルと、今後のオプション行使時や薬事および販売のマイルストン、および販売ロイヤルティーの支払いを行います。

協和発酵キリンは日本でのBenralizumabの研究開発を引き続き行います。本契約におけるオプションが行使された場合、アストラゼネカが日本における本剤の喘息及びCOPD領域での販売およびマーケティング活動を実施することになりますが、協和発酵キリンはアストラゼネカと共同販促活動を行う権利も有しています。

協和発酵キリングループは、ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。

  • ※1:喘息
    喘息は気管支が免疫系の反応で可逆的に収縮する気道の慢性炎症性疾患で、花粉、菌類の胞子やチリダニ等の吸入により発生するアレルギー性喘息と運動,咳そう,呼吸器のウイルス感染、作業環境における煙や化学物質等の吸入により発生する非アレルギー性喘息に分類されます。
  • ※2:慢性閉塞性肺疾患(COPD: chronic obstructive pulmonary disease)
    主に喫煙や公害等による有毒な粒子やガスの長期吸入・曝露により肺において気流の閉塞が生じる進行性の炎症性疾患です。運動時の呼吸困難や慢性の咳・痰等を伴います。
  • ※3:POTELLIGENT®(ポテリジェント)
    当社が独自に確立した高ADCC活性抗体作製技術です。本技術を用いることで、抗体が保有する糖鎖の中のフコースを低下させた抗体を作製できます。本技術で作製した抗体は、従来の抗体に比べて、標的細胞を極めて効率的に殺傷し、高い抗腫瘍効果を示すことが非臨床試験で確認されています。
  • ※4:ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity(抗体依存性細胞傷害))
    ADCCは免疫応答の1種です。標的細胞にある抗原に抗体が結合すると、その抗体にエフェクター細胞(NK細胞など)が結合します。その後、エフェクター細胞によって抗原を持つ標的細胞が除去されます。
  • ※5:BioWa社
    2003年に設立した米国カリフォルニア州ラホヤに拠点を置く協和発酵キリンの完全子会社で協和発酵キリン社の持つ抗体医薬品技術(「POTELLIGENT®(ポテリジェント)」や「COMPLEGENT®」(コンプリジェント))の導出活動等を行っています。
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