ニュースリリース

文字サイズ
文字サイズ標準で見る
文字サイズ大で見る
文字サイズ特大で見る

2013年9月26日PDF file:New window opensPDF版(83KB)

2型糖尿病治療剤「オングリザ®錠」の海外で実施されたSAVOR試験(大規模臨床試験)のサブ解析結果に関する学会発表について

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、ブリストルマイヤーズ・スクイブ社(本社:米国ニュージャージー州プリンストン、代表取締役社長:ランベルト・アンドレオッティ、以下「ブリストルマイヤーズ・スクイブ」)から、2型糖尿病治療剤「オングリザ®錠」(一般名:サキサグリプチン水和物、以下「オングリザ」)」に係る大規模市販後臨床試験であるSAVOR(Saxagliptin Assessment of Vascular Outcomes Recorded in Patients with Diabetes Mellitus)試験のサブ解析結果に関して、スペインのバルセロナで開催されている第49回欧州糖尿病学会(2013年9月23日から9月27日まで開催)年次総会での発表について、アストラゼネカ社と共同でプレスリリースを行うとの連絡を受けましたのでお知らせします。
なお、ブリストルマイヤーズ・スクイブは協和発酵キリンが日本国内で販売しているオングリザの導入元です。

本プレスリリースは、ブリストルマイヤーズ・スクイブが発表した英文プレスリリースの主要部分を、協和発酵キリンが日本語に翻訳し、発表しています。

今回の協和発酵キリンによるプレスリリース中の表現や内容につきましては、ブリストルマイヤーズ・スクイブが発表した英文プレスリリースが優先されることの他、日本国内と状況が異なる場合があることをご留意下さい。

なお、ブリストルマイヤーズ・スクイブの発表した英文プレスリリースの内容については、ブリストルマイヤーズ・スクイブのWebサイトから参照してください。
http://www.bms.com/New window opens

以下ブリストルマイヤーズ・スクイブとアストラゼネカ社による共同プレスリリース(抜粋:日本語訳)

第49回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会でオングリザ®(サキサグリプチン)のSAVOR心血管アウトカム試験における 低血糖及び膵炎に関する新サブ解析結果を発表

  • メトホルミン単剤投与にオングリザを追加投与した群は、プラセボ群と比較して、低血糖の割合は増えていない。
  • 低血糖を起こすと知られているスルホニル尿素に併用した場合のみ、プラセボ群と比較してオングリザ群に低血糖の割合が高かった。
  • 試験開始時にスルホニル尿素による治療を受けていた患者を除いて、低血糖を起こすことなく目標HbA1cを達成した患者数は、オングリザ群の方がプラセボ群より多かった。
  • 膵炎の割合は、オングリザ群とプラセボ群で同等であり、その多くの症例は試験からの脱落なしに症状が回復した。
  • 有害事象の全体の発生は、オングリザ群とプラセボ群で同様であった。

(ウイルミントン・デラウェア、プリンストン・ニュージャージー、2013年9月26日)-アストラゼネカ社とブリストルマイヤーズ・スクイブ社は、本日、SAVOR心血管アウトカム試験からの追加結果を発表しました。メトホルミン単剤投与にオングリザを追加投与した群は、プラセボ群と比較して、低血糖の割合は増えていないことと、低血糖を起こすと知られているスルホニル尿素を併用した場合のみ、プラセボ群と比較してオングリザ群で低血糖の割合が高かったことが判明しました。加えて、試験開始時にスルホニル尿素による治療を受けていた患者を除き、低血糖を起こすことなく目標HbA1cを達成した患者の割合は、オングリザ群の方が高かったことが明らかになりました。これらの解析結果はオングリザのこれまでの試験結果と一致しています。これらの結果は、本日、スペインのバルセロナで開催された第49回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会で発表されました。

Itamar Raz教授(治験共同主任、エルサレム・ハダサ大学病院内科・糖尿病ユニット長)は、「糖尿病治療では、低血糖のリスクを高めずに血糖値を下げるためには、しばしば複数の治療法が必要である。SAVOR試験の事後解析では、サキサグリプチンがメトホルミンとの併用で投与された場合、低血糖のリスクを高めずに血糖を下げるというデータが示された。」と述べています。

加えて、SAVOR試験の結果として、オングリザ群とプラセボ群間で、確定診断された膵炎の発生率が同様であることがわかりました(オングリザ群24症例対プラセボ群21症例)。さらに、膵炎を発症した患者は、その発症期間、被検薬の効果、副作用の発生のいずれについても、両群間で同等であることがわかりました。なお、膵臓がんの発生率も低値でした(オングリザ群5例対プラセボ群12例)。

またRaz教授は、「DPP-4阻害剤のようなインクレチン関連薬による治療法を含む2型糖尿病治療の膵臓への安全性に関する最近の議論は、これまで非ランダム試験に基づいて行われてきたものであり、評価には限界があるものであった。SAVOR試験は、2型糖尿病治療における最初の大規模な無作為盲検試験であり、膵炎イベント発生に関し、外部の評定結果も示されている。この試験結果から、サキサグリプチンを投与された患者群において膵炎も膵臓がんも増やすリスクは全体として無いことがわかった。」と述べました。

試験結果

16,492例の2型糖尿病患者を対象とした無作為二重盲検プラセボ対照試験であるSAVOR試験(Saxagliptin Assessment of Vascular Outcomes Recorded in Patients with Diabetes Mellitus)は、試験担当医師が血糖降下薬の追加投与や用量調整により積極的に血糖コントロールすることを可能とし、オングリザ群とプラセボ群の血糖コントロールの差異が最小化されるようにデザインされた。
今回の低血糖に関する評価では、試験開始時の血糖降下療法(血糖降下薬未使用、メトホルミン単独、スルホニル尿素、インスリン単独もしくはインスリンと他の血糖降下薬の併用)および試験開始時のHbA1c値(全試験対象、HbA1c7%未満もしくはHbA1c7%以上)によって層別解析された。その結果、試験開始時の血糖降下療法がメトホルミン単独(オングリザ群:年間100人あたり2.4、プラセボ群:同2.6、ハザード比[HR]:0.92)、インスリン単独(オングリザ群およびプラセボ群:年間100人あたり17.4、HR:1.00)および血糖降下薬未使用(オングリザ群:年間100人あたり3.0、プラセボ群:年間100人あたり2.1、HR:1.44)では、試験開始時時のHbA1c値に関わらず、プラセボ群と比較して、オングリザ群での低血糖の発現は増加しなかった。試験開始時にスルホニル尿素(低血糖を生じやすい血糖降下剤として知られている)を服用していた患者では、HbA1c値にかかわらずプラセボ群と比較してオングリザ群で低血糖の発現が増加し(オングリザ群:100人年あたり9.7、プラセボ群:同6.8、HR:1.42)、インスリンと他の血糖降下薬併用では、試験開始時のHbA1c値7%未満の患者のみにおいてオングリザ群の低血糖の発現が多かった(HR:1.42)。重度の低血糖の発現率はスルホニル尿素を服用し、かつ試験開始時のHbA1c値7%未満の患者(HR:2.24)を除くすべてのサブグループにおいて上昇しなかった。
2年時点において、低血糖の発現を伴わずにHbA1c7%未満を達成した患者の割合は、オングリザとメトホルミン単独(36.1%vs.23.6%)、インスリン単独(12.1%vs.7.6%)もしくは他の血糖降下薬の併用(16.1%vs.11.4%)において、プラセボ群に比べ高値であった。オングリザとスルホニル尿素単独では、低血糖の発現を伴わずに目標HbA1c値を達成した患者の割合は、プラセボ群よりも少なかった(20.6%vs.22.4%)。
SAVOR試験では、膵炎と膵臓がん発生の可能性についても評価され、研究者らにより報告された。膵炎として報告された全ての患者は、治療実施者の見解とは独立した膵臓疾患の専門家2名を含む外部の専門家による委員会で判定された。膵炎と報告された患者は、明らかな急性膵炎、急性膵炎の疑い、慢性膵炎、膵炎の可能性は低い、の4つのカテゴリーに分類された。
全体の解析では、オングリザ治療群で33名(発症件数35)、プラセボ群で30名の患者(発症件数35)が膵炎であると治験担当医師により報告された。委員会による判定によって、オングリザ群で24名(発症件数26)、プラセボ群で21名(発症件数25)の患者が膵炎であることが確認された。膵炎に関する判定分析により以下の追加結果が明らかとなった。

  • 明らかな急性膵炎、あるいは急性膵炎の疑いは、38症例で観察され、オングリザ群で22例、プラセボ群で16例であった。その内オングリザ群で17例(0.2%)、プラセボ群で9例(0.1%)が明らかな急性膵炎であると分類された。
  • 膵炎からの回復率は両群で同等であった(オングリザ群とプラセボ群でそれぞれ21症例[80.8%]と21症例[84.0%]が治癒、3症例[11.5%]と1症例[4.0%]が回復中、2症例[7.7%]と1症例[4.0%]が回復せず、0症例と1症例[4.0%]が後遺症を伴う回復、0症例と1症例[4.0%]が死亡)。
  • 慢性膵炎はオングリザ群で2症例(0.02%)、プラセボ群で6症例(0.07%)が報告された。
  • 膵炎発生患者の多くは治療を継続したが、オングリザ群では4症例(15.4%)が投薬を中止し、2症例(7.7%)が投薬を一時中断した一方、プラセボ群では6症例(24.0%)が投薬を中止し、1症例が投薬を一時中断した。
  • 膵臓がんはオングリザ群で5症例、プラセボ群で12症例が報告された(p値=0.095)

主要試験結果と試験デザイン

SAVOR試験から得られた主要な研究結果は、欧州心臓病学会議2013(蘭、アムステルダム)にて発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載された。
学術研究機関TIMIの研究グループとハダサ大学医療センターが主導したSAVOR試験は、世界700以上の施設で実施した無作為二重盲検プラセボ対照試験である。SAVOR試験では、2型糖尿病成人患者を対象にして、心血管疾患死、心臓発作および脳卒中のリスクの観点から、心血管系に対するオングリザの安全性と有効性をプラセボと比較検討した。
本試験には、成人の2型糖尿病患者16,492例が登録され、無作為に割り付けされた結果、8,280例がオングリザを、8,212例がプラセボを投与された。登録された患者は、2型糖尿病で、試験開始時のHbA1cが6.5%~12%、食事療法、インスリンおよび/または経口剤(GLP-1作動薬およびDPP-4阻害薬を除く)による治療を受けており、下記の基準に該当する心血管イベントのリスクが高くなっている患者であった。

  • 40歳以上で、虚血性心疾患、末梢血管疾患または虚血性脳卒中の心血管疾患であると確定した患者。
  • 55歳以上の男性および60歳以上の女性で、心血管疾患を合併しているとは確定していないが、脂質異常症、高血圧または日常的な喫煙のいずれかのリスクを有する患者。

患者はさらに腎機能により、正常/軽度(eGFR>50mL/min)、中等度(30-50mL/min)、重度(eGFR<30mL/min)に分類された。
主要安全性評価項目は、オングリザ投与群での複合エンドポイント(心血管疾患死、非致死性心筋梗塞または非致死性虚血性脳卒中)の発症率が、相対危険度の信頼区間95%でプラセボ群の1.3未満であることを確認することであった。主要有効性評価項目は、2型糖尿病患者に対し、現行の治療にオングリザを追加した群で、複合エンドポイント(心血管疾患死、非致死性心筋梗塞または非致死性虚血性脳卒中)の発症が、プラセボ群と比較して減少するかどうかを調べることであった。2次有効性評価項目は、主要複合エンドポイントに加え、心不全、冠動脈血行再建術または不安定狭心症による入院および全死亡率の減少が含まれていた。2次安全性評価項目は、全ての有害事象および特に注目した有害事象の観点からの安全性および認容性の評価が含まれて いた。
患者は2010年5月から2011年12月の間に無作為に割り付けられた。フォローアップの中央値は1.97年、最長は2.9年であった。
主要複合エンドポイントである心血管疾患死、非致死性心筋梗塞、非致死性虚血性脳卒中は、SAVOR試験の1次解析の結果からオングリザ群で613例(7.3%)、プラセボ群で609例(7.2%)(ハザード比[HR]:1.00、95%信頼区間[CI]:0.89、1.12、非劣性p値<0.001)発生したことが分かった。オングリザは、主要有効性評価項目においてプラセボ群に対する同複合エンドポイントでの優越性を示さなかった(優越性p値=0.99)。
主要複合エンドポイントに加え心不全、不安定狭心症および冠動脈血行再建術のための入院から成る主要2次エンドポイントは、オングリザ(サキサグリプチン)群で1059例(12.8%)、プラセボ群で1,034例(12.4%)発生した(HR:1.02、95%CI:0.94、1.11、p値=0.66)。2次複合エンドポイントの一項目である心不全による入院は、プラセボ群(2.8%)に比べオングリザ群(3.5%)で多く発生した(HR:1.27、95%CI:1.07,1.51、p値=0.007)。あらかじめ規定していた2次エンドポイントの全死亡は、プラセボ群で378例(4.2%)に対し、オングリザ群で420例(4.9%)発生した(HR:1.11、95%CI:0.96,1.27、p値=0.15)。

本件に関するお問い合わせ
協和発酵キリンコーポレートコミュニケーション部
TEL03-3282-1903



ページトップへ