パーキンソン病治療剤 アポカイン®皮下注30mg新発売

協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、2012年7月27日にパーキンソン病注1治療剤アポカイン®皮下注30mg(一般名:アポモルヒネ注2塩酸塩水和物(Apomorphine Hydrochloride Hydrate)、以下「アポカイン®」)を新発売しますので、お知らせいたします。

アポカイン®は、患者さん自身が専用の注入器を用いて自己注射するドパミンアゴニストの皮下投与製剤です。通常の薬物療法で十分な効果が得られないオフ症状注3を速やかに改善する有用な薬剤であることが確認されたことにより、2012年3月に承認を取得しておりました。なおアポカイン®は、2011年3月に国内で希少疾病用医薬品に指定されています。

アポモルヒネ製剤は、米国、英国、フランス、ドイツを含む20カ国以上でパーキンソン病治療剤として承認されており、協和発酵キリンは、英国の医薬品会社ブリタニアファーマシューティカルズ社と、日本ならびにアジアの一部での独占的開発・販売権を取得するライセンス契約を2006年2月に締結しております。

協和発酵キリンは、アポカイン®がパーキンソン病の薬物療法に、オフ症状を一時的に速やかに改善するレスキュー療法という新たな治療選択肢を提供する有用な薬剤となり得ると考えております。

  • 注1.パーキンソン病
    パーキンソン病は、振戦、固縮、動作緩慢や姿勢反射障害などの動作症状を特徴とする進行性の神経変性疾患です。中脳の黒質線条体という部分の進行性変性が原因で発症すると考えられており、それに伴って脳内でドパミンという物質の不足が起こります。日本での患者数は、約15万人です。
  • 注2.アポモルヒネ
    アポモルヒネは、ドパミンと類似した構造式を持っており、ドパミンD1およびD2様受容体に強い親和性を有するため、脳内の神経細胞の表面にあるドパミンD1およびD2様受容体に結合して、アゴニスト(作動薬)として作用します。パーキンソン病患者さんの脳内で枯渇した内因性のドパミンの代わりにドパミン神経伝達を促進し、身体の運動神経異常を正常化することにより、振戦、固縮などの動作症状を改善します。
  • 注3.オフ症状
    レボドパ含有製剤の効果が切れることにより発生する、振戦(ふるえ)、固縮(筋肉の硬直)、動作緩慢などの症状のことです。
「アポカイン®」製品概要

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製品名 アポカイン®皮下注30mg
一般名 アポモルヒネ塩酸塩水和物
効能・効果 パーキンソン病におけるオフ症状の改善(レボドパ含有製剤の頻回投与及び他の抗パーキンソン病薬の増量等を行っても十分に効果が得られない場合)
用法・用量 パーキンソン病におけるオフ症状の発現時に皮下投与する。通常、成人にはアポモルヒネ塩酸塩として1回1mgから始め、以後経過を観察しながら1回量として1mgずつ増量し、維持量(1回量1~6mg)を定める。その後は、症状により適宜増減するが、最高投与量は1回6mgとする。
発売日 7月27日
薬価 7,550円/筒(5月29日薬価収載)
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