専門医からのメッセージ

よりよい対策の参考に

西奈良中央病院

血液浄化センター長 金子 佳照先生

住所・診療科名

〒631-0022 奈良県奈良市鶴舞西町1-15

TEL 0742-43-3333

http://www.nishinarachuo.or.jp/

診療科名:泌尿器科

プロフィール

出身地:奈良県

専門:尿路性器腫瘍、小児泌尿器科、血液透析、慢性腎不全

当科の夜尿症の治療方針

当科では泌尿器科としての立場から、発育過程でのおねしょと、先天性泌尿器科疾患による頻尿、尿失禁(遺尿)をスクリーニングし、泌尿器科的治療が必要なおねしょの早期発見を目指しながら治療を行っています。おねしょの治療は日本夜尿症学会の治療ガイドラインに基づいて進めています。
おねしょがなくなったとしても、それが夜間に起きるようになったために改善したものである場合は、その根本の疾患が隠されている可能性があります。朝まで起きずに、下着や布団を濡らさなくなることが、本来の発育と考えています。

お母さん、お父さんへ

おねしょは、発育過程のものか、疾患に由来するものかの判断が重要です。疾患由来のものであればその疾患の治療を行いますが、そうでないおねしょの場合は、ご両親・ご家族・お子さま本人の考えに基づき、おねしょを改善するために発育を促す治療をすべきかどうかを、まず、考える必要があります。おねしょが気になる場合は、まずおねしょ量を調べたり、排尿日誌をつけるなど、おねしょの状態を調べてから専門医を受診することをお勧めします。
泌尿器科疾患、特に生まれつきの疾患として、「尿道狭窄」という尿道がせまくなっている状態が最も多く見られます。このような状態に対しては、ストレスやリスクが小さく、効果が大きい内視鏡手術が有効な手法であることが知られています。
尿道がせまくなっていると、おしっこをしている最中(排尿中)に膀胱に過度の緊張を与えるため、膀胱が過敏になり、これが尿漏れの原因となっている場合もあるのです。手術で排尿中の尿道への抵抗、膀胱への負担を取ることにより、膀胱の発育を妨げる原因が取り除かれますので、膀胱の発育がうながされます。これによって昼間遺尿は早々に改善することが多く、おねしょも改善しやすくなります。

主な検査は以下の通りです。

  • 排尿日誌(排尿時刻とその時の排尿量を丸一日記録)
  • 夜間及び早朝の尿比重や浸透圧、おねしょ量(オムツの重さで測定)
  • 平均尿流率(自宅でお子さまと親が協力して調べます)

    出た尿量を、排尿にかかった時間で割ったもの(尿量/時間 mL/s)
    基準値は、
     10 mL/s以下=異常
     10-15 mL/s=要注意
     15 mL/s以上=問題なし

  • 排尿時膀胱尿道造影(小さいお子さまでも投与可能です)

    平均尿流率が10 mL/s以下、または、10-15 mL/sの持続時、昼間尿失禁や膀胱未熟があれば排尿時膀胱尿道造影をします。当院では実施しておらず、必要時には専門の病院を紹介します。

先生からお子さまへのメッセージ

おねしょは自分の責任ではなく、発育の過程ですので、あせらず、無理に起きようとせず、納得の上、検査や治療を受けましょう。