タイプ診断に必要な検査のほかに、夜尿症の検査にはつぎのようなものがありますが、それぞれに目的があり、夜尿の原因や体の状態を知ることができたり、治療の効果を確かめる手助けになります。

必ずおこなう検査

目     的

尿検査

尿タンパク

尿糖

尿沈査

尿は全身の状態を知るバロメータで、尿タンパク尿糖、尿沈査(尿中の赤血球や白血球など)が含まれているかどうかをみます。これは、夜尿症の子どもに潜在的にみられる尿路感染症や、糖尿病など多尿をもたらす基礎的な疾患が夜尿の原因となっていることがあるため、それがないかどうか調べます。

糖尿病では、のどが渇いて水分をがぶ飲みすることが多く、多尿となり夜尿になりやすいからです。

尿浸透圧

尿比重

夜間の尿が薄いか濃いかをみるために、夜尿があった朝一番の尿で、数日間、尿浸透圧あるいは尿比重の検査を行います。あるいは、夜中の23時に起こして採尿し、帰宅後の尿と比較します。

血液検査

薬で治療する前に、全身の健康状態を確認するための血液検査で、肝機能、腎機能、造血機能の検査を行います。このデータは、治療中に副作用をチェックする際の基準値となります。

年3回くらいは実施しておいたほうがよいです。

   

必要に応じておこなう検査 

目  的

レントゲン検査

頭部のレントゲン
腰部のレントゲン

夜間の尿量が多すぎる場合は、抗利尿ホルモンを分泌する下垂体に障害があることがあるため、頭部のレントゲン(下垂体のあるトルコ鞍部)検査をします。

昼間遺尿(昼間のおもらし)がひどい場合は、腰部のレントゲン(腰椎から仙椎)検査を行い、潜在性二分脊椎となっているかどうかをみます。

抗利尿ホルモン

夜間の尿量が異常に多い場合は、血液中に抗利尿ホルモンがあるかどうかを調べることがあります。

抗利尿ホルモンが全くでない中枢性尿崩症ではないことを確かめる必要があります。

脳波検査

過去に何回か熱性けいれんなどを生じたことがある場合には、念のため脳波検査を行うことがあります。

治療薬でけいれんを誘発することが報告されており、けいれん発作に伴い、尿失禁がおこることもあるためです。

残尿検査
(超音波検査)

膀胱に残尿(おしっこしたあとに膀胱に尿が残っている)があるかどうか等を超音波検査で調べることもあります。

尿流曲線検査

尿流曲線から、不安定膀胱の診断を行います。普通おしっこをする時、最初の3分の1ぐらいが勢いが良く、あとは余力で出て行きますが、解離型だと尿流曲線が不安定になります。

心理検査

年齢が高くなればなるほど、夜尿があることでストレスを受けていることが多いためです。

検査を行うことで、両親がこれまでの育児について見直すチャンスが与えられる利点があります。夜尿の他にチックとか脱毛症や抜毛症、あるいは不登校など、心因が影響していると思われる場合には、心理検査を行うこともあります。

腰部のCTMRI 検査

潜在性二分脊椎があり、昼間遺尿(おもらし)がひどい場合には、腰椎や仙椎部のCT検査、二分脊椎を疑う場合にはMRI検査を行うことがあります。

頭部のCTMRI 検査

頭部のレントゲン検査や夜間の尿浸透圧のデータからみて、下垂体に病変があるのではないかと疑われる場合には、頭部のCTやMRI検査を行うことがあります。