監修:ほあしこどもクリニック 院長 帆足 英一 先生 
新都心こどもクリニック 院長 赤司 俊二 先生

夜尿症ってなあに?

ご家族のための夜尿症講座!!

おねしょ、夜尿症の原因は?

夜尿症の原因は、「子どもの性格の問題」「保護者の育て方の問題」といわれることがありますが、これは、誤った考え方であるといえます。
夜尿症の原因は下表のようなことが考えられています。夜尿症の多くは、これらの原因が複数みられることが一般的です。

夜間の尿量が多い
(抗利尿ホルモンの夜間分泌不足)
夜間の膀胱容量が小さい
(不安定膀胱)
睡眠障害
心理的ストレス
膀胱や腎臓の器質的な異常など

夜尿症の主な原因は、「夜間の尿量が多いこと」と「夜間の膀胱容量が小さいこと」である場合が多く、夜間尿量が夜間の膀胱容量より多いためにおこるといわれています。また、体の冷えは、夜尿を増悪させるといわれています。

夜間の尿量が多い(抗利尿ホルモンの夜間分泌不足)

夕方以降の水分摂取量が多いと、夜間の尿量が多くなります。しかし、夕方以降の水分摂取量が適当でも、夜間の尿量が多い子どもがいます。夜間の尿量をコントロールするのに重要なのが、抗利尿ホルモンです。これは、脳から分泌されるホルモンで、昼間少なく、夜になると多く出ます。そのため、夜につくられる尿量は昼間につくられる尿量よりも少なくなります。抗利尿ホルモンの分泌のリズムは、通常、成長とともに整ってきますが、夜尿症の子どもの中には、昼間は普通の子どもと同じなのに、夜だけ抗利尿ホルモンの出方が悪いため、夜間の尿量が多くなっていることがあります。

夜間の膀胱容量が未熟(不安定膀胱)

夜間の膀胱機能は子どもの成長とともに発達していき、夜間は昼間の1回の尿量の1.5~2.0倍はためられるようになり、4~5歳になると夜間トイレに一度も行かなくてもよい位のおしっこをためられるようになります。しかし、夜尿症の子どもの中には、膀胱の機能が未発達で、膀胱のためが小さいことがあります。また、寝る前に排尿しても全部出せずに尿が残る場合もあります。

睡眠の影響

尿意を感じると、夜間に目覚めてトイレで排尿する子どもがいますが、目覚めない子どももいます。子どもが尿意を感じて覚醒できないのは子どもの睡眠が深いためであり正常です。夜間尿量の減少、夜間膀胱容量の増加は睡眠の質に影響されているのではとの考えもありますが、まだ充分に解明されていません。

心理的ストレス

6ヶ月から1年以上の間なくなっていた夜尿が、突然始まる場合は、ストレスが原因となることがあります。下垂体のすぐ上に視床下部というところがあります。視床下部は情緒や感情をコントロールしているところでもあり、自律神経と深くかかわっているため、強いストレスがかかると、自律神経の働きが不調となり、これが夜尿の原因につながることがあります。

膀胱や腎臓の器質的な異常など

頻度は多くないですが、夜尿症の中には、膀胱や腎臓に器質的な異常が原因である場合があります。昼間もパンツが濡れること(昼間遺尿症)がある場合は、夜尿だけの子どもに比べて、器質的異常が多いことが知られています。