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2013年10月7日

抗FGF23完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病を対象とした第1相単回投与試験の結果発表について

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、現在開発中の抗線維芽細胞増殖因子23※1(Fibroblast Growth Factor 23、以下「FGF23」)完全ヒト抗体KRN23の成人X染色体遺伝性低リン血症性くる病※2(XLH)を対象とした第1相単回投与試験の結果を、2013年10月6日に「米国骨代謝学会(ASBMR)2013」で発表しましたので、お知らせいたします。

 本試験は、米国で行われた第1相、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、単回投与試験であり、成人XLHに対するKRN23の安全性及び忍容性、並びに薬物動態、薬力学を検討するために実施されました。38名の成人XLH患者さんがランダムに割り付けされ、KRN23又はプラセボのいずれかが静脈内投与(0.003~0.3 mg/kg)又は皮下投与(0.1~1.0 mg/kg)されました。
 本試験結果はASBMR 2013にてYale大学のThomas Carpenter先生より発表されました。KRN23は、静脈内投与及び皮下投与のいずれでも、高用量群において、プラセボと比較して血清リン濃度を有意に上昇させました(p < 0.01)。血清リン濃度は、静脈内投与では投与0.5~4 日後に、皮下投与では投与8~15日後に最も高くなり、その上昇は用量依存的に長く維持され、皮下投与では静脈内投与より長く、29日以上持続しました。また、腎近位尿細管リン再吸収閾値※3(TmP/GFR)及び1,25ジヒドロキシビタミンD濃度の上昇が認められた一方、血清カルシウム濃度、副甲状腺ホルモン濃度、尿中カルシウム排泄に顕著な変動はありませんでした。発現した有害事象はほとんどが軽度であり、重篤な有害事象の発現はなく、生化学検査、心電図、腎超音波検査に変化もみられませんでした。なお、抗KRN23抗体の発現はありませんでした。以上のとおり、KRN23単回投与時の安全性及び忍容性が確認されました。

 協和発酵キリンは、KRN23の開発、販売に関して、ウルトラジェニクス・ファーマスーティカル(以下「ウルトラジェニクス」)と協業およびライセンス契約を締結しています。協和発酵キリンとウルトラジェニクスは2014年には小児XLHを対象とした臨床試験を開始する計画ですが、成人XLHを対象とした試験も引き続き実施していく予定です。


※1 線維芽細胞増殖因子23(FGF23)
FGF23は、主として骨組織で産生される251アミノ酸からなるポリペプチドであり、腎臓に作用し、腎尿細管でのリンの再吸収を阻害します。近年、低リン血症性くる病、腫瘍性骨軟化症、腎不全等の疾患におけるFGF23の関与が示俊されています。

※2 X染色体遺伝性低リン血症性くる病(XLH)
XLHは、血中に高濃度で存在するFGF23により、体内のリンが過剰に排泄され低リン血症となり、その結果として骨の成長・維持に障害をきたす希少な疾患です。

※3 腎近位尿細管リン再吸収閾値(TmP/GFR)
腎臓のリン再吸収能の指標です。XLH患者では低値であり、リンが尿に過剰に排泄されている状態を示します。



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