ニュースリリース

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2012年6月19日

KW-6002のパーキンソン病に対する第3相試験の結果発表について

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:花井 陳雄、以下「協和発酵キリン」)は、自社開発の抗パーキンソン剤 KW-6002(一般名:Istradefylline(イストラデフィリン))について、国内で実施された第3相試験(以下、009試験)の結果を、ダブリンで開催中の第16回国際パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDS:International Congress of Parkinson's Disease and Movement Disorders)で昨日発表しましたので、お知らせいたします。

 009試験は、レボドパ製剤注1で治療中の運動合併症を併発するパーキンソン病注2に対するKW-6002の有用性評価を目的に、KW-6002の20mgおよび40mgをプラセボと12週間の投与期間で比較した試験です。運動合併症の一つであるウェアリング・オフ注3現象が発現しているパーキンソン病患者さん373名を対象に、1日の平均オフ時間の変化を主要評価項目とし、無作為化二重盲検法によるプラセボ対照比較試験として実施されました。

 主要評価項目の1日平均オフ時間においてKW-6002の20mgおよび40mgは、いずれもプラセボに比べ有意な減少を示しました。加えて、副次的評価項目のUPDRS注4(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)パート3運動能力検査においても、KW-6002の40mgでは、プラセボに比べ有意な改善効果が認められました。また、副作用ではプラセボに比べKW-6002で明らかに多く発現した事象はジスキネジア注5のみであり、全体的に大きな差はありませんでした。
 これらの結果から、KW-6002は運動合併症を併発したパーキンソン病においてウェアリング・オフを軽減し、運動機能も改善すると同時に高い忍容性を有していることが証明されました。

 KW-6002はアデノシンA2A受容体注6に対する選択的な拮抗薬として、協和発酵キリンが新規の作用機序を有する抗パーキンソン剤として開発を進め、2012年3月に厚生労働省に製造販売承認を申請しております。

 協和発酵キリンは、本剤がパーキンソン病治療における新たな選択肢として治療の幅を広げ、ウェアリング・オフ現象などでお困りの患者さんの症状改善にも繋げることが出来るものと考えております。


注1.レボドパ製剤
パーキンソン病は脳内のドパミン不足によって生じるため、脳内にドパミンを補充することで症状が改善されます。その際、レボドパ(L-dopa、L-ドパ)製剤の服用で、脳内でレボドパがドパミンへと変わるため、脳内で不足しているドパミンが補充されます。

注2.パーキンソン病
パーキンソン病は、動作遅延、硬直、振戦や姿勢の不安定などの動作症状を特徴とする進行性の神経変性疾患です。原因は中脳の黒質線条体という部分の進行性変性で、脳内でドパミンという物質の不足が起こります。日本の患者数は、約15万人程度です。

注3.ウェアリング・オフ現象
パーキンソン病の治療には、減少したドパミンを補充するためのレボドパ(L-DOPA)製剤を用いるのが主流ですが、長期治療によりウェアリング・オフ現象と呼ばれる薬効時間の短縮による症状の日内変動や、不随意運動などの運動合併症が生じることが知られています。

注4.UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)
パーキンソン病を総合的に評価する基準として、広く利用されています。
精神機能、行動、および気分に関する部分(パート1)、日常生活動作に関する部分(パート2)、運動能力検査に関する部分(パート3)、治療の合併症に関する部分(パート4)に分けられており、全体で42の項目を基本的に5段階に分けて点数で評価するので、パーキンソン病の重症度を点数で表すことができます。

注5.ジスキネジア
不随意運動の総称で、自分の意志にかかわりなく身体が動いてしまう症状です。原因の一つとして、抗パーキンソン病薬の服用に伴って起きることが知られています。

注6.アデノシンA2A受容体
生体内物質であるアデノシンに対する受容体の一つであり、パーキンソン病の責任病巣がある大脳基底核に分布し、運動機能の調節に関与していると考えられています。 


<今回発表した第3相試験(009試験)の概要>
試験の目的 レボドパ製剤で治療中の運動合併症を併発しているパーキンソン病患者さんに、KW-6002を1日1回20mg又は40mgを12週間投与した際の有効性と安全性をプラセボと比較し評価する。
試験デザイン 無作為化、二重盲検プラセボ対照比較、多施設共同試験
症例数 373名
主要評価項目 1日平均オフ時間の変化
副次評価項目 状態別1日平均オン時間の変化
UPDRSスコア(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)の変化
CGI-I(臨床全般改善度)
安全性(有害事象)
結果 ・KW-6002の20mgおよび40mgは、いずれも主要評価項目でプラセボに比べ有意な減少効果を認めました。
最終評価時 プラセボ:-0.23時間、KW-6002 20mg:-0.99時間、KW-6002 40mg:-0.96時間
・副次的評価項目のUPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)パート3運動能力検査においてもKW-6002の40mgは、プラセボ群に比べ有意な改善効果を認めました。
最終評価時 プラセボ:-2.8ポイント、KW-6002 20mg:-3.7ポイント、KW-6002 40mg:-4.9ポイント
・安全性(有害事象)ではプラセボに比べKW-6002で明らかに多く発現した事象はジスキネジアのみであり、全体的に大きな差は認められておりません。
KW-6002で5%以上発現した有害事象:ジスキネジア、鼻咽頭炎、便秘 、傾眠

 



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