ニュースリリース

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2010年10月7日

KW-0761(抗CCR4ヒト化モノクローナル抗体)
末梢性T/NK細胞リンパ腫に対する第2相臨床試験開始

 協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:松田 譲、以下「協和発酵キリン」)は、CCR4注1陽性の末梢性T/NK細胞リンパ腫注2を対象としたKW-0761の国内後期第2相臨床試験を開始しましたので、お知らせいたします。

 KW-0761は、当社独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT®(ポテリジェント)」注3を用いて作製した自社開発抗体で、CCR4を抗原として認識して、標的細胞をADCC作用注4で攻撃します。

 現在、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)注5を除く末梢性T/NK細胞リンパ腫に対してCHOP療法注6等が標準治療とされていますが、その治療成績は十分ではありません。末梢性T/NK細胞リンパ腫にはCCR4を発現しているものが見られることから、KW-0761が効果を示す可能性が考えられます。

 今回開始した試験の主要な目的は、KW-0761の有効性、安全性および薬物動態を、ATLを除く再発・再燃末梢性T/NK細胞リンパ腫(末梢性T細胞リンパ腫-非特定型(PTCL-NOS) 注7や菌状息肉腫(MF) 注8など)を対象として評価することです。

 本試験に先立ち実施したCCR4陽性の再発・再燃末梢性T/NK細胞リンパ腫16例(ATL、PTCL-NOS、MFが登録)を対象とした国内第1相臨床試験で、KW-0761の忍容性が確認され、奏効率注9は31.3%でした。現在、CCR4陽性の再発・再燃ATLを対象とした国内第2相臨床試験、およびCCR4陽性の初発未治療ATLを対象としたmLSG15療法注10とKW-0761を併用する国内後期第2相臨床試験を実施しております。

 協和発酵キリンは、KW-0761の臨床試験を進めることにより、ATLを含む末梢性T/NK細胞リンパ腫の治療およびQOLの向上に貢献してまいります。



<末梢性T/NK細胞リンパ腫を対象としたKW-0761の国内後期第2相臨床試験の概要>
対象疾患 CCR4 陽性再発・再燃末梢性T/NK細胞リンパ腫(ATLを除く)
投与スケジュール 1週間隔で8回静脈内投与
予定試験期間 2010年9月~2013年3月
実施場所 日本
主要評価項目 抗腫瘍効果



注1.CCR4(chemokine (C-C motif) receptor 4)
 CCR4は、白血球の遊走に関与するケモカインの受容体の一つです。CCR4は、正常組織中ではIL-4およびIL-5などのサイトカインを産生する(CD4陽性の)ヘルパー2型T細胞に選択的に発現することが知られています。また、血液がんの1種である末梢性T/NK細胞リンパ腫において高発現しています。

注2.末梢性T/NK細胞リンパ腫
 悪性リンパ腫のうち、成熟したT/NK細胞を起源とする非ホジキンリンパ腫の総称であり、末梢性T細胞リンパ腫-非特定型(PTCL-NOS)や菌状息肉症(MF)などが含まれます。

注3.POTELLIGENT® (ポテリジェント)
 当社が独自に確立した高ADCC活性抗体作製技術です。本技術を用いることで、抗体が保有する糖鎖の中のフコースを低下させた抗体を作製できます。本技術で作製した抗体は、従来の抗体に比べて、標的細胞を極めて効率的に殺傷し、高い抗腫瘍効果を示すことが動物試験で確認されています。

注4.ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxity(抗体依存性細胞傷害活性))
 抗原に抗体が結合すると、その抗体にマクロファージやNK細胞といったエフェクター細胞が結合します。その後、エフェクター細胞によって抗原を持つ標的細胞が殺傷されます。

注5.成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)
 レトロウイルスのHTLV-1が発症に関与している末梢性T細胞腫瘍であり、国内の患者数は約2000名です。一般的に、mLSG15療法などの多剤併用化学療法が施行されますが、移植以外に治癒が期待される治療法は確立されていません。現在、移植療法が積極的に検討されています。一方、再発・再燃例に対しては、悪性リンパ腫の治療法に準じた種々の化学療法が実施されていますが、有効な治療法は確立されていません。

注6.CHOP療法
 シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾロン(またはプレドニゾン)を決められたスケジュールで投与する化学療法で、悪性リンパ腫の標準的な治療法です。

注7.末梢性T細胞リンパ腫-非特定型(PTCL-NOS)
 末梢性T/NK細胞リンパ腫のリンパ節性(ときに節外性)のものに、分類できない末梢性T/NK細胞リンパ腫があり、これらが末梢性T/NK細胞リンパ腫-非特定的として、除外診断により分類されています。末梢性T/NK細胞リンパ腫の中で最も頻度が高く、約30%を占めます。

注8.菌状息肉腫(MF)
 皮膚病変を初発症状とし、病変の主座が皮膚、特に乳頭層浸潤にある末梢性T細胞リンパ腫です。皮膚原発のT細胞リンパ腫では最も一般的で、皮膚のリンパ腫の50%を占めます。

注9.奏効率
 完全寛解もしくは部分寛解が得られた割合です。

注10.mLSG15(modified LSG15療法)
 ビンクリスチン、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾロン、ラニムスチン、ビンデシン、エトポシド、カルボプラチン、シタラビンおよびメトトレキサートを決められたスケジュールで投与する化学療法です。

 



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