協和発酵バイオ株式会社 農林水産研究開発功労者表彰※1「社団法人農林水産先端技術産業振興センター会長賞※2」受賞!

協和発酵バイオ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:石野修一)は、このたび「飼料用フィターゼおよび環境保全型飼料の開発」が、農林水産省の農林水産技術会議が実施する農林水産研究開発功労者表彰において社団法人農林水産先端技術産業振興センター会長賞を受賞いたしましたのでお知らせいたします。

今回の受賞はフィターゼ開発当時、畜産業界で大きな問題となっていた家畜排泄物由来の環境汚染物質の低減に取り組んだ当社の活動が評価されたものです。

当社が飼料添加物として開発した「フィターゼ」は飼料中に含まれる難消化性リン化合物(フィチン酸)を分解する酵素で家畜排泄物中のリン量を低減することができます。この技術にアミノ酸を用いて飼料のタンパク質レベルを下げ、窒素排泄量を低減させる技術と融合させた“環境保全型飼料”を開発し、生産農家を対象とした説明会などの実施を経て実用化に至りました。※3

今回の成果は実証試験をしていただいた農水省関連研究機関、府県畜産試験場等の研究員の方々、また、実際の生産農家への技術の普及にご協力いただいた当社販売代理店の方々のご協力により達成できました。

表彰名

農林水産省農林水産技術会議・農林水産研究開発功労者表彰
農林水産先端技術産業振興センター会長賞

受賞者

岡田 徹(おかだとおる:協和発酵バイオ株式会社 本社 アグロ営業部)
葭谷 收平(よしやしゅうへい:協和発酵バイオ株式会社 本社 アグロ営業部)
末繁 博信(すえしげひろのぶ:協和発酵バイオ株式会社 アグロ営業部東京畜産資材課)
西村 省治(にしむらしょうじ:協和発酵バイオ株式会社 アグロ営業部東京畜産資材課)

表彰式典

日時:2009年11月25日(水)10時~12時
場所:幕張メッセ国際展示場ホール6 「アグリビジネス創出フェア2009」

  • ※1:農林水産研究開発功労者表彰とは
    1. 趣旨
      農林水産省では、我が国農林水産物・食品の市場の拡大、食品の安全と消費者の信頼確保、地球温暖化対策、バイオマスの利活用の推進等について、スピード感をもって、攻めの姿勢で積極的に取り組んでいるところです。これらの取組みを技術的側面から支えるために、公的機関のみならず、 民間部門において一層の研究開発を進めることが重要となっています。
      このため従来から、民間部門で農林水産分野の研究開発に関係されている方々の意欲向上を目的に、毎年度、農林水産大臣賞の授与をはじめとする表彰を実施しているところです。
    2. 表彰対象
      民間部門で、農林水産分野の研究開発に顕著な功績・功労のあった個人または研究グループ10組程度です 。

    (社団法人農林水産技術情報会議ホームページより)

  • ※2:社団法人農林水産先端技術産業振興センター会長賞とは
    表彰には「農林水産大臣表彰」、「農林水産省農林水産技術会議会長表彰」、「社団法人農林水産技術情報協会会長表彰」があり、それぞれ、民間部門農林水産研究開発の業務または業務の発展に特に顕著な功績・功労のあった者(大臣表彰)、同様に顕著な功績・功労のあった者(技術会議会長表彰)、これらに準ずる者(情報協会理事長表彰)が授与されます。
    (平成20年3月25日、19農会人第441号より)
  • ※3:研究内容

    家畜用配合飼料には、植物原料由来の難消化性のリン化合物が含まれています。また、タンパク質(窒素)も要求量以上に配合されている場合が多く、消化吸収できないリン、タンパク質(窒素)は糞尿中に排泄されます。

    これら家畜排泄物由来のリンや窒素は、堆肥として田畑に散布された後、雨などによって河川や湖沼、海洋に流出し、水系の富栄養価の一因となり、赤潮やアオコが異常発生して水質を汚染します。

    これに加え、水質汚濁防止法のリン・窒素の排泄規制も年々厳しくなっており、持続的な畜産業経営の為に、家畜排泄物からのリン・窒素の削減が急務となっていました。

    我々は、以下の(1)及び(2)を融合させ、リンと窒素を同時に低減することができる“環境保全型飼料”の開発を行いました。

    1. 飼料中に含まれる難消化性リン化合物(フィチン酸)を分解する酵素「フィターゼ」の飼料添加物としての開発(フィターゼ添加により飼料中のリン吸収率を向上させ、排泄されるリンを低減(通常飼料よりも約40%低減)させることができます)。
    2. 従来から技術として存在していたが実用化に到っていなかった、“アミノ酸を用いて飼料のタンパク質レベルを下げ、窒素排泄量を低減(通常飼料よりも約40%低減)させる技術(低タンパク飼料)”

同時に、この技術を普及させるための実証試験を府県の畜産試験場などと協力して実施した他、配合飼料を自ら製造している農家を中心に“環境保全型飼料”の配合設計の提案を行い、実用化させるに到りました。さらに、これらの試験データを普及させる為、養鶏・養豚業者を対象とした説明会や勉強会を全国各地で開催し、技術の啓蒙活動を行いました。

飼料用フィターゼは、現在では数社が販売しており、国内の殆どの養豚、養鶏用配合飼料に添加されています。また、環境保全型飼料のコンセプトも配合飼料メーカーで採用され、環境保全型畜産の経営に役立てられています。

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