がん性疼痛治療剤KW-2246の第III相臨床試験結果に関するお知らせ
協和発酵キリン株式会社(本社:東京、代表取締役社長:松田 譲、以下「協和発酵キリン」)は、オレクソ社(本社:スウェーデン・ウプサラ、CEO:トールビョーン・ビェルケ)から導入し、がん性疼痛の持続的疼痛管理時に起こる急激な痛み(突出痛)に対する治療剤として開発中のKW-2246(フェンタニルクエン酸塩舌下錠)の第III相臨床試験の結果を得ましたので、お知らせいたします。
本試験は、中等度から高度のがんの痛みに対してオピオイド鎮痛薬*1が定時投与されており、かつ、突出痛に対してモルヒネ製剤を使用しているがん患者様を対象に、プラセボとの二重盲検比較試験およびモルヒネ製剤との非盲検比較試験として、クロスオーバーデザイン*2にて実施されました。
今般、本試験結果を解析した結果、本剤のプラセボに対する統計学的な有意差が示され、臨床効果が確認されました。さらに、モルヒネ製剤に対する非劣性も確認されました。なお、安全性に関しては、本試験期間中に忍容できない副作用の発現は認められませんでした。
今後、本剤の新薬承認申請の準備を進めていきます。
協和発酵キリンは、「がん」「腎」「免疫疾患」を研究・開発の重点領域とし、特徴ある抗体技術を生かした抗体医薬品の開発に取り組んでいます。低分子医薬品においても画期的な新薬を継続的に創出することで、世界の人々の健康と豊かさに貢献したいと考えています。
- *1オピオイド鎮痛薬
体内のオピオイド受容体に結合することにより、鎮痛効果を発揮する薬剤です。オピオイド鎮痛薬がオピオイド受容体と結合すると、脊髄と脳への痛みの伝達が遮断され痛みがおさまります。これ以外に非オピオイド鎮痛薬(NSAIDsなど)があります。 - *2クロスオーバーデザイン
治験参加者は2つ又はそれ以上の順序を無作為に割付けられ(被験薬と対照薬を投与する時期を互いにずらす)、それぞれの効果を治験参加者内で評価できる試験方法です。
オレクソ社 概要
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事業内容 | 疼痛、炎症を重点領域として開発しているスウェーデンの製薬メーカー |
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設立 | 1995年 |
資本金 | 8,987千スウェーデンクローナ(1SEK=約12円) |
従業員数 | 122名(2009年3月末) |
CEO | トールビョーン・ビェルケ |
所在地 | スウェーデン・ウプサラ |