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2001年6月15日号に掲載
組換え作物の未来は決して暗いものではありません。地球上で人間の食べる作物を耕作できる面積には限りがあります。耕作地を増やすには大がかりな潅漑工事が必要になり、荒地や森木を耕地化しなければなりません。そうしたことが新たな環境破壊を招く恐れがあるだけに、組換え作物は、食料問題解決への大きな可能性を秘めているのです。
米や小麦、トウモロコシは人類にとってもっとも重要な食料です。組換え作物は、これまでこれらの作物が栽培できなかった乾燥地や塩分の多い土壌、寒い地域などでも栽培できるようになる可能性があるのです。耕作面積が広がれば食料生産量も増え、人口増加にも対応できるかもしれないのです。
日本の研究所がシロイヌナズナという植物のゲノム解析を終了しました。また、イネの1品種のゲノムも米国とスイスの会社が解析を終えました。これらの結果から、塩分に強い性質をもたらす遺伝子を見つけたり、乾燥に強い遺伝子を見つけたりして、その遺伝子を組み込むことで、耐塩性や耐乾性、耐寒性をもったイネや小麦が生まれる可能性があるのです。また、光合成を制御する遺伝子がわかれば、生産力を向上させることができるかもしれないのです。これまでのように、何十年もかかって人工交配を繰り返して、耐塩性の品種を育てなくても、遺伝子を組み込むだけでその品種ができるようになるのです。
また、作物にワクチンを作らせる研究や作物に含まれる栄養分を変える研究も
国際コメ研究所(IRRI)
で行われています。もし、バナナにコレラのワクチンを生産させることができれば、そのバナナを食べるだけでコレラから身を守ることができます。また、米に血糖値を下げる物質を含有させられれば、糖尿病の人がその米を食べることで血糖値をコントロールすることができます。これらの研究は日本でも政府のミレニアムプロジェクトの一つとして、すでに始まっています。
農水省農業生物資源研究所では「健康機能性作物」というテーマで、このような作物の開発に挑んでいます。日本だけではありません。世界各国でこのようなプロジェクトが進行しています。
遺伝子組換え作物の可能性は広がっています。しかし、安全性の問題や生態系への影響などは常に考えていかなければいけない問題です。
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