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1.抗体ってなんだ?
其の2「抗体の発見!」
時は1853年、浦賀沖にペリー率いる黒船が現れた年のはじめに、肥後藩(現在の熊本県)でひとりの男の子が産声をあげました。少年は医学をこころざし、熊本医学校、東京医学校(現在の東京大学医学部)を経て、ドイツのロベルト・コッホ(コレラ菌や結核菌の発見者)のもとに留学しました。そこで彼は、破傷風という神経に障害を引き起こす病気の原因である破傷風菌を取り出すことに、世界で初めて成功したのです。
彼はこの破傷風菌が作り出す毒素についてさらに研究し、面白い現象を発見しました。この毒素をウサギに注射すると、通常は破傷風にかかってしまうのですが、中には破傷風にかからないウサギも出てくることに気が付いたのです。そこで彼はウサギの体中をめぐる血液に注目しました。そして、その血液の中に毒素の働きを抑えるものが作られるという事実を発見したのです!
当時この毒素の働きを抑えるものは「抗毒素」と呼ばれていました。実は、この「抗毒素」こそが「抗体」だったのです。破傷風の毒素を注射されたウサギの血液中で、毒素に対する「抗体」が作られ、その毒素の働きを抑えることで破傷風にかからなくなっていたのです。すなわち、彼は身体の中に入ってきた病原体などに対して、「抗体」を作り身体を守るという仕組みを発見したのでした。この偉大なる発見をした日本人こそが、北里柴三郎博士です。
抗体の研究はこの発見から始まったといっても過言ではありません。この時、北里博士と共に研究を行っていたドイツ人の同僚ベーリングは、これらの業績が認められ第1回ノーベル医学・生理学賞を受賞しています。もちろん北里博士も受賞候補の1人でした。日本に帰国してからは現在の北里大学や慶應義塾大学医学部を創設し、研究者、教育者として活躍しました。
こうして身体を守る「抗体」が発見されたわけですが、次回はその「抗体」についてのもう少し詳しいお話しです。一口に「抗体」と言っても、実は5種類もあったのです!
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