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その昔、天然痘という恐ろしい感染症がありました。18世紀には世界中でたくさんの人々がこの病気で亡くなってしまったそうです。一度感染すると顔中に発疹が出て、致死率は30%に及んだそうですが、残りの70%は回復し、不思議なことに再び天然痘にかかることはないということが経験的に知られていました。そこで、天然痘そのものを前もって接種し、先に天然痘を発症させ回復させるという治療法が考案されましたが、致死率は高く、更にその人から他の人に感染を広げたりと、より大きな悲劇を招くことがありました。 この当時、イギリスの医者E.ジェンナーは、患者として来ていた牛の乳搾りの女性の手にはみんな、牛痘(天然痘に似た牛の感染症)にかかった跡があるのに、顔には天然痘にかかった跡がないことに気がつきました。ジェンナーはこのとき、「牛痘にかかることで天然痘にはかからなくなるのではないか!?」とひらめいたのです。そこで、ジェンナーは乳搾りの女性から牛痘の膿をとり、それを当時自分の家で働いていた8歳の健康な少年に接種しました。すると、少年は1週間後に微熱こそでましたが、他は何ら問題ありませんでした。そして半年後、ジェンナーがその少年に天然痘の膿を接種してみると、なんと少年は、天然痘にかからず健康なままでした。 安全な牛痘を接種することで天然痘を予防したのです! このジェンナーによる人類初の安全な予防接種は、後にルイ・パスツールによりvacca(ウシ)にちなんで「vaccine(ワクチン)」と命名されました。そしてこの後、免疫学は飛躍的な進歩を遂げていくのです。しかし、実際に体の中では何が起こって、天然痘を予防することができていたのか分かっていませんでした。その一部で「抗体」が活躍していたこともまだ知られていない時代でした。それはまた後のお話し。では、次回は少し時代が進んで、その「抗体」の発見についてのお話しです。お楽しみに! |
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この当時、イギリスの医者E.ジェンナーは、患者として来ていた牛の乳搾りの女性の手にはみんな、牛痘(天然痘に似た牛の感染症)にかかった跡があるのに、顔には天然痘にかかった跡がないことに気がつきました。ジェンナーはこのとき、「牛痘にかかることで天然痘にはかからなくなるのではないか!?」とひらめいたのです。そこで、ジェンナーは乳搾りの女性から牛痘の膿をとり、それを当時自分の家で働いていた8歳の健康な少年に接種しました。すると、少年は1週間後に微熱こそでましたが、他は何ら問題ありませんでした。
安全な牛痘を接種することで天然痘を予防したのです! このジェンナーによる人類初の安全な予防接種は、後にルイ・パスツールによりvacca(ウシ)にちなんで「vaccine(ワクチン)」と命名されました。そしてこの後、免疫学は飛躍的な進歩を遂げていくのです。