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2002年3月11日号
藤尾 達郎(協和発酵研究本部理事/工学博士/東大客員教授)
食べ残しのパンやご飯をそのままにしておくと、すぐにカビが生えます。もっと時間がたつといつのまにかなくなります。本当は、なくなったのではなくて、目にみえない大きさまで分解(ぶんかい)されたために見えなくなっただけです。
森の落ち葉や倒(たお)れた木も同じです。時間はかかりますが、目にみえない小さな成分になって土や空気にかえります。そして、太陽の光を受けて、植物の種が芽(め)を吹き、分解によってできたいろいろな成分(せいぶん)を栄養(えいよう)にして、また立派な樹(き)が育ちます。食べ残しや落ち葉で地球が埋(う)もれてしまうことはありません。
地球上のいろいろなものを分解するのは微生物(びせいぶつ)の仕事です。微生物もたいへん小さく目には見えませんので、ふだんはあまり気がつきませんが、私たちのまわりにはたくさんの種類(しゅるい)の微生物が生きています。
パンやご飯にすぐカビが生(は)えるのは、私たちの周囲(しゅうい)にカビがいつもいるためです。もちろん、カビだけではなく、酵母(こうぼ)や細菌(さいきん)といわれる種類の微生物もたくさんいます。そして、何かものがあると、そのものを分解して栄養にすることができる微生物が生えてくる、というわけです。
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